学校・教育 × 無線LAN

鹿児島市教育委員会 様

コンピュータ整備率全国1位を達成した授業スタイル(全国20万人以上都市対象、特別区は除く) ~アクセスポイント2277台の導入で安定した無線インフラを実現~

無線ネットワーク導入の背景

鹿児島市は、活火山である桜島を抱える人口60万人の県都であり、日本の南の拠点都市として発展を続けてきました。教育委員会では、小学校78校、中学校39校、高等学校3校の120校を管轄しており、新しい時代に対応できる人間性豊かで、たくましい児童生徒の育成を目指しています。教育の情報化の推進においても、KEIネットやインターネットの活用、あるいはネットワーク機器等の整備など学習情報センターが中心となり、積極的な環境整備に努めてきました。
平成21年には、スクールニューディール構想の推進の一環として、2200教室にアクセスポイントを導入し、ノートパソコンを活用できるWi-Fi環境が整備されました。その後、ノートパソコンに変わるモビリティの高い、高性能なタブレット(2in1)の出現により40台のタブレットを活用する授業スタイルに変わってきました。ノートパソコンであれば、インターネットに接続できる環境があればよかったのですが、タブレットに変わったことで、タブレット同士がデータをやりとりでき、より安定して40台が過不足なく使えるWi-Fi環境が求められるようになりました。
平成25年には、特別教室に平均8台のタブレットを各校に導入し、活用を図ってきましたが、当時の環境では、タブレット20台の接続が限界であり、より安定した無線環境が必要であることが認識できました。
このため、平成27年に、従来のアクセスポイントを切り替えて、業務用無線LANとして定評のあるフルノシステムズ製のアクセスポイントを選定しました。現在、小・中学校・高校の120校の全普通教室にアクセスポイント2277台が導入され、安定してつながるWi-Fi環境を整えることができました。

無線LAN導入における4つの課題

  1. 40台の端末が安定した通信できるWi-Fi環境
    従来のWi-Fiシステムの場合、端末20台超えるとネットワークに負荷がかかることがありました。このため、児童生徒40人が同時接続した場合でも、スムーズにアクセスできる「つながる・活用できる無線LAN」を求めていました。
     
  2. 不正侵入させない安全な環境づくり(セキュリティ)
    無線ネットワークに不正アクセスできる環境では、授業での安全な運用が期待できません。そこでセキュリティ部分も強化し、Radius認証やMACアドレスで制限がかけられる仕様のアクセスポイントを選定しました。また、無線電波の強度を調整できるため、教室エリア内だけしか無線が届かない仕様とし、より不正なアクセスを排除できる環境としています。
     
  3. アクセスポイントの集中管理で授業を止めない
    従来のシステムは、無線に不具合が発生した場合、現地まで行かなければ原因がわからず、授業を止めてしまうことがありました。フルノのアクセスポイントは、すべてのアクセスポイントを遠隔集中監視できることで、電波の調整や環境設定の変更ができ、不具合の時間を短くすることで、授業に支障をきたさない環境を期待できます。
     
  4. 災害時の避難者用Wi-Fiへの転用ができる
    学校の場合、体育館や保健室など災害時に避難者の避難場所になることがあります。この場合でも、避難所用にフリーWi-Fiとして提供できれば、情報のやりとりに役立つことが可能です。学校のWi-Fiに影響を与えず、緊急避難用のSSID:00000JAPAN(ファイブセロジャパン)の設定により、フリーWi-Fiとして活用することができます。

システム概要

授業ポータル「KEIネット」の1000コンテンツで、いつでも、どこでも授業を支援!

1. 「Stage3」における授業スタイルを実現! 
文部科学省「2020年代に向けた教育の情報化に関する懇談会」において、 『普通教室は、「Stage3」の環境整備が求められる』と提言しています。「Stage3」の環境とは、電子黒板、1人1台の可動式PC、そして無線LAN環境や個人データのファイル管理となります。鹿児島市教育委員会では、120校の全普通教室に50インチデジタルテレビ、授業用タブレット(2in1)、無線LANアクセスポイント、書画カメラ、無線画面配信装置の一式を整備し、どの教室でもアクティブラーニングが実現できる環境となっています。文科省調査データから人口20万人以上の都市のコンピュータ整備率を精査したところ、全国1位※(3.7人/1台)となりました。
※全国20万人以上都市対象、特別区は除く。


2. 授業ポータルの活用で、先生の授業スタイルに応じたコンテンツを児童生徒の学習に活用
学習情報センターでは、鹿児島市教育情報ネットワーク「KEIネット」を構築しており、ネット上に授業で活用できる約1000のコンテンツを整備しています。市内の先生方が授業で作成したわかりやすい教材を提供していただいており、先生の授業スタイルに応じて活用いただいています。例えば、社会科副読本として活用できる「のびゆく鹿児島」は、マルチメディアのデジタル教科書になっており、関連ページをリンク先で閲覧できたり、地図記号を学習できるような仕掛けがあり、楽しく授業ができるようになっています。また、ストップウォッチなどのアプリケーションは、様々な授業シーンで活用でき、評判の高いツールとなっています。


3. 授業支援ソフト「ロイロノート・スクール」を 授業設計に活用
平成27年度に、中学校のパソコン教室において授業支援ソフトの「ロイロノート・スクール」を採用しており、中学校での評判が高かったため、小学校でも使える環境に整備しました。先生方の実際の授業実践例の動画もあり、授業設計に役立っています。また、操作マニュアルは、すべて1~2分の動画マニュアルにして提供することで、子供たちは、自分たちで見て、すぐに操作を理解でき、使えるようになりました。小学生から「ロイロノート・スクール」に触れることで、中学生になってからも、迷わず、すぐに使える思考のための学習ツールとして活用できることを目指しています。


【実践例】小学2年生  算数:「はこの形」
福平小学校の小学生2年生の算数の授業では、1人1台タブレットを使い、はこの形になる面のつなぎ方を考える授業を実施しました。児童生徒は、カードをつなげて展開図をつくり、タブレットのカメラで撮影し、授業支援ソフトを使って撮影データを送ります。各児童生徒から送られてきた展開図を集約し、大型テレビで比較検討します。つなぎ方で気付いたことをみんなで話し合い、意見を集約します。正解となる解答動画を確認し、最後に書画カメラを使って、実際にはこを児童生徒が組みあげて、全員で確認します。 このように、タブレット、授業支援ソフト、大型テレビ、書画カメラ、無線LANなど、ICT環境が整備されたことで、 「Stage3」の授業スタイルを実現しています。

お客様の声

鹿児島市教育委員会では、普通教室において「Stage3」の環境整備を推進してきました。その中でも、無線接続環境は、充分整備が整ってきており、安定してシステムが稼働しています。アクセスポイントの選定においては、タブレット40台の多台数接続対応はもちろんのこと、常置式のAPにしています。ただし、テレビ台に固定設置したことで、テレビ台を移動することで、どの教室でも使えるようにできる半移動式になっています。無線環境においては、「授業を止めない」を目標に、整備率、運用サポートの向上に努めていきたいと考えています。
また授業支援ソフトにおいては、「ロイロノート・スクール」を活用した授業研修を実施しており、学習方法の授業設計の中に、確実に定着してきています。まだ小学校においては、導入4~5ケ月なので、各学校を廻って、さらに授業研修を高めていきたいと考えています。安定したWi-Fiのインフラ整備が実現したことで、今後授業での積極的な活用に期待しています。
 

お客様情報

お客様名 鹿児島市教育委員会
教育長 杉元 羊一(すぎもと よういち)
所在地 鹿児島県 鹿児島市山下町6-1
児童・生徒数 小学生 33,927人
中学生 17,891人(H28年調査時点)
URL http://www.city.kagoshima.lg.jp/index.html

[取材実施:2017年8月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

[学校・教育]を含む導入事例