船舶 × 無線LAN

阪九フェリー株式会社 様

日本初の本格的な船舶Wi-Fiで、船内環境の利便性向上を実現! ~Wi-Fi利用のお客様の要望を満たす、快適な無線LAN環境が整った~

船舶 Wi-Fi 導入の背景

阪九フェリー株式会社は、瀬戸内海の北九州と神戸、大阪間をメイン航路とする日本初の長距離カーフェリー事業者です。年間の利用客数は、増加傾向にあり、それとともにビジネス客の乗船も増えてきました。フェリーは、観光客以外に、ビジネス客も乗船しています。そこで、限られた条件の中で、客層にあった差別化をしていかなければならないと考えていました。

ある時、NTTドコモのモバイルWi-Fiルータ契約の条件の中で、陸上からの電波が利用できる時には、Wi-Fiが使えるという情報をいただきました。そうであれば、船内のエントランスホールでも運用が可能じゃないか?ということで、実験的に1台目を2012年に設置し、さらに2台目を2013年に追加しました。約20名程度のお客様に、限定したエリアにてWi-Fiを活用していただくことができました。その時は、船内全域においての活用は、実現されていませんでした。

2014年に入り、船で試験的にアンテナを引けば、NTTドコモの携帯電話がつながりやすくなるという提案があり、付加メリットとして、従来の4~5倍の100人程度の方に、無線環境を提供できることがわかりました。そこで、第2ステップとして、船内全域にWi-Fi環境の構築を試験的に実施することを決めました。船内全域における無線Wi-Fi環境のシミュレーションをNTTドコモと西部電気工業に依頼し、多台数接続と将来的にも無線LAN拡張が容易なフルノシステムズのアクセスポイントの採用に至りました。

無線LAN導入における3つの課題

  1. 船内全体でWi-Fiを使えるようにしたい
    エントランスホールのみのWi-Fi利用エリアでしたが、設備性能上、利用者数に上限がありました。利用者数増加させるために、最適なインフラ構築、ネットワーク設計が求められました。
  2. ビジネス客優先で使えるようにしたい
    繁忙期が全体の2割ぐらいなので、観光客だけでなく、ビジネス客にも使えるようにしてあげたいと思いました。船で仕事ができ、パソコンでデータを飛ばせるようにしてあげることで差別化につなげていきたいと考えました。
  3. 客層ごとに活用範囲を調整し、次期新造船に展開していきたい
    ドライバー用とビジネス用、観光客用の客層、それぞれ利用のしかたが違うため、今回の導入により活用のデータを取ることで、次の新造船でのWi-Fi活用を視野にいれて構築していきたいと考えました。

システム概要

既存インフラを利活用したネットワーク設計で、スマートにWi-Fi化

1. 同軸ケーブル利用によるWi-Fiシステム構築

展望デッキに新規アンテナを設置しました。外部アンテナからレピータまでは、有線ケーブルで伝送し、モバイルWi-Fiルータを接続しました。その後、同軸モデム(親機)経由で各甲板の同軸モデム(子機)につながるため、新たな追加投資はなく、有線LANケーブルの配線工事なしで、データ伝送を実現しています。同軸モデムの先に、アクセスポイントを設置し、船内の利用エリアをカバーするように設計しています。

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2. 無線LAN環境調査(サイトサーベイ)による運用の最適化

ビジネス客において、仕事での利活用を目指すため、Wi-Fiを利用できるエリアを限定しました。事前に船内のWi-Fi環境調査を実施し、電波強度や電波到達距離を測定し、アクセスポイントの設置位置や提供できるWi-Fi速度のシミュレーションを実施しました。最終的に、7階の特等に2台、6階の1等、2等指定A、Bに10台、そして5階の2等指定Aに4台、エントランスに1台、そしてドライバーズサロンに1台を設置し、合計18台のアクセスポイントが稼働しています。

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3. 電波強度調整により安定的な電波エリアを確保

5階の4台のアクセスポイントは、ビジネスで個室を利用するのためにアクセスポイントの電波強度を調整することで、安定した品質の無線LAN環境を実現できるようにしました。

システムインテグレータ様の声


西部電気工業株式会社
北九州支店 次長
井芹 重文 様

今回、阪九フェリー様のニーズをお伺いし、大規模な無線LAN化の提案をNTTドコモ様と共同で提案することになりました。

一般の事務所と違い、既存船においては、新たな追加工事なしに無線化する方法が求められており、各個室まで配線されている同軸ケーブルを利用することで、無線LANのエリア拡張が可能となりました。阪九フェリー様の場合、想定する利用ユーザー様が多いため、電波環境調査を実施し、船室ごとにアクセスポイントの電波強度調整を実施しました。

特に5Fのビジネス向け個室の場合、携帯電波が入りにくいという点もあり、確実にWi-Fiでの利用ができるように調整したことが工夫した点です。

従来からフルノシステムズさんの親会社古野電気さんが船舶機器の実績があるということで、世界的に認知されており、船舶関係でのビジネス上の信頼は、非常に高いものがありました。

九州地区で展開する西部電気工業の場合、取引先に旅客船会社は多いので、今回の事例を成功させることで、長崎、鹿児島など多方面でのソリューションの拡販に注力していきたいと考えています。

お客様の声

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阪九フェリー株式会社
営業企画部長
田畑 幸一 様

当社のユーザー様は、商用で利用する人、帰省などで利用する人、また観光目的の個人や団体などに分かれます。その中でもビジネスで個室を利用するユーザー様の付加価値として、Wi-Fiを活用することができたらということで、サービスの向上の一貫として利用価値があるのではないかと考えていました。モバイルWi-Fiルータ活用をきっかけに、無線LANシステムの拡張を行ってきましたが、船内全体のWi-Fi化する試みは、まだ試験段階です。

船内の7甲板、6甲板、5甲板のWi-Fi化は、2014年の2月からスタートしましたが、現状のお客様の利用データ数から判断すると、数日ほどでモバイル通信で言われている7Gのカベを超えてしまうことから考えると、様々な状況で利用されているものと予想しています。

しばらくは、試験運用のデータを参考に、来年の新規造船にて、グレードアップした無線LAN環境を提供していきたいと思っています。まだまだフェリーに乗船したことがない方々が多いので、一般的になってきた無線LANインフラ整備をすることで、新たな付加価値としてフェリー乗船にも新規ユーザーを呼び込み、今まで以上にお客様へのサービス向上に務めていきたいと思っています。

日本初の長距離カーフェリー事業者としてスタートした当社ですが、無線LANインフラ整備においても、日本初のフェリーWi-Fi化としてチャレンジしていくことに期待を寄せています。


北九州【新門司】フェリーターミナル

お客様情報

お客様名 阪九フェリー株式会社
市長 代表取締役社長:米田 真一郎
所在地 〒800-0113 北九州市門司区新門司北1-1
URL http://www.han9f.co.jp/
概要 設立:昭和41年4月28日
従業員数:272名(平成18年4月現在)
航路区間:新門司~神戸/新門司~泉大津
船舶数:4船(やまと/つくし/せっつ/すおう)

[取材実施:2014年7月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

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