3分でわかる!無線LANミニ知識

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Wi-Fiと無線LANって一緒?2つの違いを解説します

LANケーブルなどの有線ケーブルをつながなくてもインターネットに接続可能な無線LANがあります。
ケーブルが煩雑にならないため、最近は会社や家庭でも多く使われています。
一方で、現在はスマートフォンの普及により、「Wi-Fi」という言葉を耳にすることが増えたのではないでしょうか。
街角でも喫茶店やショッピングモールなどWi-Fiを無料で使える場所が急増しています。
そもそも無線LANとWi-Fiの違いは何でしょうか? 

無線LANとは

無線LANは、有線であるLANケーブルではなく、電波を使う無線で通信を行い、インターネットに接続できるシステムです。
LANはLocal Area Networkの略で、ローカルエリアネットワークと読みます。
親機となる無線LANルーターとスマートフォンやパソコンなどの端末(子機)を無線で接続して通信します。

無線LANの標準的な通信規格は「IEEE 802.11」系です。「IEEE 802.11」とは、IEEE(米国電気電子技術学会)802委員会のグループ11により標準化された無線LANの規格のひとつで、さまざまな場所で使われています。
主な種類は、11a、11b、11g、11n、11acなどで、パソコンやスマートフォン、ゲーム機、デジタル家電などに搭載されています。
11の後ろのアルファベットは規格を意味し、使用する周波数帯や通信速度などで区別されています。

市販されている無線LANルーターなどの「IEEE802.11a/b/g/n/ac」という表記は、IEEE 802.11の規格内でどれに対応しているかを表しています。
周波数帯は2.4GHzと5GHzに分けられ、2.4GHzでは11gと11b、5GHzでは11aと11acが使用でき、11nは両方の周波数帯で使用することが可能です。

無線LAN規格の一つであるWi-Fi

Wi-Fiは「Wireless Fidelity」の略でワイヤレスフィデリティと読みます。
無線LAN製品の普及促進を図ることを目的とした業界団体の「Wi-Fi Alliance」が、無線LANの世界標準規格としてIEEE 802.11系に一本化しました。
各デバイス同士の通信互換性を検査し、合格した製品にのみ「Wi-Fi」のロゴをつけることが認められています。
いわばJIS記号のようなものです。

Wi-Fi普及の背景

1990年代から無線LAN技術の開発が進み、並行して各社がバラバラの通信技術で無線LAN端末を発売し始めました。
当時は、端末価格が高い、既存の有線LANの方が使い勝手がよい、メーカーによって採用している通信規格が違うため親機と子機の組み合わせ次第ではうまく無線接続ができないといった問題があり、なかなか普及が進みませんでした。
便利で、ユーザーにとってメリットが大きな無線LAN技術が普及しないことは非常に残念ということで、規格統一のためWi-Fi Allianceが設立されました。Wi-Fi Allianceは、無線LAN通信の方式を「IEEE 802.11」系として国際標準規格に置きました。
通信規格を統一してからは、急激に普及が進み、今では無線LAN=Wi-Fiと認識されるほどになりました。

「IEEE 802.11」系の特徴

「IEEE 802.11」系の規格はIEEE 802.11bから派生し、現在5種類に大別されます。これらの通信規格は、使用する周波数帯や通信速度などで分類されています。
周波数は 2.4GHzと5GHzの二つが使われており、それぞれ特徴があります。

2.4GHzは電波干渉を受けやすいという弱点を持ちますが、障害物に強いという強みがあります。対して5GHzは混在する家電製品やBluetoothの電波干渉を受けにくいという優れた性質を持ちます。しかし、壁などの障害物に弱いという弱点もあります。
5GHzは2.4GHzに比べて電波の減衰が早いため、通信可能距離が短くなるというデメリットもあります。

周波数帯以外の違いとして、最高通信速度があります。
通信速度とは、データを送ったり、受け取ったりする際の速度のことです。通信速度に上りと下りがあり、上りがデータを送信する速度、下りがデータを受信する速度を意味します。インターネット検索や動画のダウンロードなどで重要になるのは下りの通信速度です。
速度が速いほどストレスなくインターネットを利用することができます。
速度は「bps」という単位で表します。「1Mbps」とは「1秒間に100万ビットのデータを送信可能」ということです。
音楽や動画のダウンロード、ショッピングサイトの利用などを快適に行える速度は30Mbps程度からで、HD動画のダウンロードやビデオチャットなど容量の大きなデータを使用する際は100Mbps以上あれば快適に楽しむことができます。

「IEEE 802.11」系の各規格の特徴は下記の通りです。

11a:周波数帯が5GHz、最大通信速度が54Mbps
11b:2.4GHz、11Mbps
11g:11bの上位互換規格で、2.4GHz、54Mbps
11n:2.4GHzと5GHzの両方あり、600Mbps


11nは現在のメイン規格となっており、多くの対応製品が発売されています。

11acは次世代用通信規格で5GHz、最大6.9Gbpsと現時点での光回線の最大速度2Gbpsを超える高速通信を行うことができます。
(最大通信速度は理論値です。実際には使用する機器の処理速度やLANの混雑具合などの要素が影響します。)
なお、5GHz帯のWi-Fi規格と、2.4GHz帯のWi-Fi規格は通信の際に互換性はありません。
親機のルーターと子機である電子機器の規格が違う場合などは、通信速度が遅い方の規格での通信となります。
しかし最近は、複数の通信規格(例えば、11aと11nの両方)に対応した製品も広く世間に普及してきています。

次世代通信規格「IEEE802.11ac」

最新の規格は「IEE802.11ac」です。計算上では最高速度が6.9Gbpsあり、11nの600Mbpsと比べると約11倍で、無線通信としてはかなり高速化された規格です。
すでに、第一世代として433Mbps~1.3Gbpsに対応した製品が販売されています。
2017年には、第二世代(2.6Gbps)として、さらに高速化した無線通信に対応可能な端末の発売が進んでいます。
今後、ますます高速化するインターネット通信や社内通信網に対応できる規格です。
無線LANは、スマートフォンやタブレット端末の普及にともない、「つながれば便利」から「高速でつながる」「どこでもつながる」といった風に使用者の期待がシフトしてきています。
端末の使用方法も、インターネットの検索やブログの更新などから、動画のダウンロード・アップロードなど、容量の大きなコンテンツの利用へとメインの用途も変化してきています。
そのため、今後の無線LAN規格は、HDTVの配信や大容量ファイルを高速でロードできる11acが主流になっていくと考えられています。

「無線LAN=Wi-Fi」ではない

「無線LAN」=「Wi-Fi」と思われがちですが、イコールではありません。
無線LANは無線通信を行うネットワークサービス全般を指し、そのなかの一つがWi-Fiです。
現在では、市販の製品のほとんどがWi-Fi認証を得ていることもあり、無線LANを「Wi-Fi」と認識する人が増えています。
また、スマートフォンの通信では、基本料金が高額になりやすいLTE高速通信ではなくWi-Fiを優先して使用するケースが多くなってきました。
理由としては、2020年オリンピック・パラリンピックの東京開催を見据えて、日本国内では公衆無線LANの普及促進が進められてきたことがあげられます。
そのため、街のあちこちに無料のWi-Fiアクセスポイントが設置され、どこでもWi-Fiを使える環境が整ってきました。
他にも、月々の通信費の節約だけではなく、スマートフォン事業者の提供する回線を使用するよりも通信速度が速いからということもあるようです。
今後もますますWi-Fiを使えるエリアが広がると予想されます。そしてWi-Fiの通信速度もまだまだ速くなる見込みです。