インターネットやWi-Fiの通信速度を改善できる『IPv6』とは 3分でわかる!無線LANミニ知識
仕事やプライベートでWi-Fiを使いながら「どうしてこんなに速度が遅いのだろう」と不満に感じたことはありませんか。通信速度が遅い原因は一つではありませんが、通信規格を変えることで改善できることがあります。今回はWi-Fiの通信速度が遅くなる原因をはじめ、近年注目されているIPv6について紹介します。
自宅で動画を閲覧しているときや職場でインターネットを利用しながら容量の大きなファイルを扱っているときなど、「通信速度が遅い」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
通信速度にお悩みの場合は『IPv6』という通信規格を使用することで改善が期待できます。今回は通信速度が遅くなる原因とIPv6の基本的な情報について解説します。
インターネット・Wi-Fi通信の速度が遅くなる原因
インターネットやWi-Fiの通信速度が遅いと感じる場合、その原因としていくつかの可能性が考えられます。
▼速度が遅くなる原因の例
- LANケーブルやWi-Fiルーターが古い、または故障しているなど、機器に問題がある
- Wi-Fiルーターの同時接続端末台数を超えている
- IPv4で接続している
これらのうち、IPv4は通信規格を指します。IPv4では、トンネル方式とも呼ばれるPPPoE(Point-to-Point Protocol over Ethernet)という通信方式を使用してインターネットに接続します。
従来の通信方式であるPPPoEは、利用者が多いことに加えて通信を行う道幅が狭いことにより、通信混雑が起きやすいのが弱点です。たとえば、データを送受信する際に通る網終端装置の設備不足によりアクセスが込み合う時間帯には通信速度が低下しやすくなります。
参照URL:
https://dream.jp/ftth/tips_f/hikari03.html
https://www.buffalo.jp/topics/utilize/detail/ipv6.html
https://prebell.so-net.ne.jp/tips/pre_19012402.html#sub_01
https://www.nojima.co.jp/support/koneta/50729/
インターネット・Wi-Fiの通信速度を改善するIPv6
IPv6は、インターネットの普及に伴ってIPv4で使用するIPアドレスが枯渇してきていることを受けてつくられた新しい通信規格です。IPv4との大きな違いは、機器に割り当てることができるIPアドレスの数にあります。
IPv4では約43億個のIPアドレスを割り当てられるのに対して、IPv6では約340澗(かん)個、ほぼ無制限で割り当てられるのが特徴です。
なお、IPアドレスの数は通信速度には影響を与えません。IPv6の通信速度が早い理由は、その通信方式にあります。
IPv6の通信方式
PPPoEを使用するIPv4と異なり、IPv6で使用されている通信方式はIPoEです。PPPoEのトンネル方式に対して、ネイティブ接続方式と呼ばれています。
PPPoEと異なるのは、網終端装置を通さずにデータを直接送受信できる点です。これにより、通信速度の改善を見込めます。
IPv6を利用するメリットと注意点
IPv6を使用することで、インターネットに接続できる全ての端末にIPアドレスを振り分けられるようになるため、端末間で直接データの送受信を簡単に行うことが可能です。これにより、端末ごとにIPアドレスを設定する必要がなくなり、より手軽にインターネットに接続できます。
ただし、IPv6の利用には注意しておきたいポイントもあります。IPv6でインターネットに接続しているときは、IPv4にしか対応していないWebサイトにアクセスできません。
なお、IPv4 over IPv6という技術を利用すれば、IPv4とIPv6両方の対応Webサイトにアクセスできます。この方法ではIPv6と同レベルの通信品質でIPv4通信を実現できるため、混雑を避けて快適な通信環境を作れます。
参照URL:
https://dream.jp/ftth/tips_f/hikari17.html
https://www.nojima.co.jp/support/koneta/50729/
https://prebell.so-net.ne.jp/tips/pre_19012402.html#sub_01
https://www.iodata.jp/ssp/magazine/87/index.htm
インターネット・Wi-Fiの通信速度改善のカギとなる通信方式の見直し
「Wi-Fiの通信速度が遅い」「通信速度が遅くなった」とお悩みの場合は、現在使用しているWi-FiルーターやLANケーブルのほか、通信方式が原因となっていることがあります。
たとえば、現在IPv4を使用している場合は、通信方式をIPv6に変えることで通信速度の改善が期待できます。
なお、IPv6はIPv4に比べるとまだまだ普及しているとはいえません。IPv6を取り入れて通信速度の改善を目指す場合は、IPv4 over IPv6の技術を利用することを検討したうえで導入を検討してみてはいかがでしょうか。