業務用Wi-Fiとは?家庭用との違いと導入のメリット・デメリット 3分でわかる!無線LANミニ知識

オフィスでWi-Fi環境を構築したい場合は、業務用Wi-Fiの導入がおすすめです。「Wi-Fi」は家庭用と業務用で性能が異なります。
本記事では、業務用Wi-Fiの特徴や家庭用Wi-Fiとの違い、導入のメリット・デメリット、製品の選び方について解説します。オフィス・店舗のネットワーク環境を見直したい方はぜひ参考にしてみてください。

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業務用Wi-Fiの基礎知識

はじめに、業務用Wi-Fiの基本的な概要について解説します。業務用Wi-Fiは家庭用のWi-Fiよりも性能が優れており、同時接続台数やセキュリティ面で効果が期待できます。

業務用Wi-Fiとは?

Wi-Fiは業務用と家庭用で区別ができます。オフィスで使う場合は家庭用Wi-Fiではなく、業務用Wi-Fiの導入を検討した方が良いでしょう。業務用Wi-Fiは、オフィスや店舗での利用が想定されているため、家庭用Wi-Fiよりも同時に接続できる端末の台数が多く、通信が安定しています。
複数の従業員が同時に接続しても通信速度が遅くならず、Web会議など通信量の大きい業務にも対応できるため、社内の通信環境によって業務が妨げられることもなくなります。来社された顧客もWi-Fiを利用できるようになるため、打ち合わせなどで先方がインターネット回線を使用したい場合でも簡単に案内できるでしょう。また、飲食店などの店舗であれば無線LANアクセスポイントを提供することで、外出先で利用している利用客にとって便利な環境を用意でき、満足度の向上にもつなげられます。

業務用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiの違い

それでは、業務用Wi-Fiと家庭用Wi-Fiにはどのような違いがあるのでしょうか。「同時接続台数」「セキュリティ」「通信距離」という3つの観点から両者を比較すると、以下のようになります。

業務用Wi-Fi

家庭用Wi-Fi

同時接続台数

多い

少ない

セキュリティ

高い

一般的

通信距離

遠い

近い

業務用Wi-Fiは家庭よりも多くの端末を接続することを想定して作られているため、同時に接続可能な台数は家庭用Wi-Fiよりも多くなります。複数人が同時にPCをインターネット接続しても、そう簡単には通信は重くなりません。
また、セキュリティの観点でも業務用Wi-Fiは家庭用Wi-Fiより優れています。セキュリティに難のある通信機器を使い続けることは、会社にとって情報漏洩などの大きなリスクにつながります。業務用Wi-Fiの方が家庭用Wi-Fiよりもセキュリティが強固な場合が多く、企業の情報資産を保護するのに有効です。

通信可能な範囲が広いのも、業務用Wi-Fiの特徴です。オフィスや店舗での利用が前提になるため、家庭よりも広範囲での通信を実現しています。

業務用Wi-Fi導入のメリットとデメリット

業務用Wi-Fi導入のメリットとデメリットをご紹介します。オフィスや店舗での通信を安定させ、利便性や業務効率を向上させられるといったメリットだけでなく、コストや運用面での注意点も把握しておきましょう。

業務用Wi-Fi導入のメリット

業務用Wi-Fiの導入には、以下のメリットがあります。

・オフィスを自由にレイアウトしやすくなる

・さまざまな種類の機器を接続できるようになる

・客やゲストがインターネットを無料で使えるようになる

業務用Wi-Fiを導入すれば、無線によるインターネット接続が可能になり、配線が不要になります。配線を考慮する必要がなくなるため、オフィスや店舗のレイアウトの幅が広げられるというメリットがあります。また、有線LANケーブルを使った「有線接続」の必要がなくなるため、固定回線環境が脱却し、パソコンだけでなくタブレットやスマートフォンなど、さまざまな種類の機器を簡単に接続できるようになるのもポイントです。
店舗に導入した場合、客がインターネットを無料で使えるようになるのもメリットの一つです。飲食店などでは待ち時間のストレス軽減につながるだけでなく、電波が入りにくい場所でもQRコード決済などを利用しやすくなるため、利便性向上につながります。

業務用Wi-Fi導入のデメリット

一方で、業務用Wi-Fi導入には、以下の2つのデメリットがあります。

・一定のコストがかかる

・ネットワーク運用に対応できる人員が必要になる

料金プランやオフィス・店舗の規模によって価格は異なりますが、業務用Wi-Fiを導入する場合は、初期費用と運用にかかるランニングコストが発生します。また、Wi-Fiが不調な時に対処できるよう、ネットワーク運用に対応する人員が必要になる場合もあるでしょう。専門のサポートに依頼することもできるため、社内の人的リソースが足りない場合には検討してみてください。

業務用Wi-Fiルーターの選び方

業務用Wi-Fiルーターを選ぶ際は、以下の5つの観点に注目してみてください。

・同時接続台数

・セキュリティ(情報漏洩対策)

・ゲストWi-Fi機能の有無

・通信規格

以下、それぞれのポイントについて解説していきます。

同時接続台数が多い製品を選ぶ

ルーターやアクセスポイントの同時接続数の上限を確認しておきましょう。同時接続台数が多い機器であるほど、一度に複数台のデバイスを接続しても快適な通信環境を確保できる仕組みになっています。同時接続台数に余裕がないと、複数端末から接続した際に回線が重くなってしまう恐れがあります。

情報漏洩の対策がされている製品を選ぶ

情報漏洩や不正アクセスへの対策など、セキュリティが強固なルーターやアクセスポイントがおすすめです。細かいアクセス制限を設定できたり、認証済みの機器だけを接続できたりといったセキュリティ機能があるタイプの製品を選びましょう。

ゲストWi-Fi機能がある

ゲストWi-Fi機能がある製品であれば、パスワード・SSIDの漏洩を防ぐ効果も期待できます。来訪者がWi-Fiに接続してインターネットを使っても、社内ネットワークには接続しないことになるからです。社内SSIDを外部から見えないようにするステルス機能を持つ製品もあるため、来客が多い企業や、店舗でゲスト用のWi-Fiを提供する場合はゲストWi-Fi機能が搭載されている機器の導入を検討してみましょう。

通信規格を確認する

最新の通信規格に対応している製品を選ぶのも大切です。Wi-Fiは、最大通信速度や通信速度によって規格が区別されており、製品によって対応している規格は異なります。基本的には通信規格が新しいほど通信速度は速くなるため、「IEEE802.11ac」や「IEEE802.11ax」という新品機器の購入、更新をする際は最新規格に対応している製品が推奨されています。

業務用Wi-Fiの導入で業務効率化とセキュリティ強化を実現

オフィスや店舗でWi-Fiを導入する場合は、法人向け(オフィス向け)・業務用Wi-Fiを導入しましょう。家庭用Wi-Fiよりも同時接続台数が多く、セキュリティ性能や通信範囲も優れているため、企業の大切な情報資産を守ることもでき、セキュリティ対策と業務効率化を両立しやすいうえ、顧客からの安心や信頼の向上を図れます。また、高速通信環境になれば大容量のデータをクラウドなどにも素早く保存できるようになるので、幅広いデジタル活用の促進も期待できるでしょう。小規模事業者(小規模オフィス)やSOHO、テレワークであっても、ビジネスシーンでは法人用のWi-Fiを法人契約するメリットは十分に大きいと考えられます。

業務用Wi-Fiを導入する際は、同時接続台数やゲストWi-Fi機能の有無、工事不要か必要か、規格や工事費などの導入費用・月額費用(月額料金)、解約金や違約金、事務手数料といったコストなどは要確認です。さらにオプション、メーカー保証・サポート、契約期間などもチェックしておく必要があるでしょう。また、自社の利用環境に適したサービスや無線LANなどのネットワーク機器・IT機器を導入しなければ、メリットを十分に享受するのは困難で、商品の購入費用分を損してしまうケースも考えられます。そのため、自社での導入・管理に不安がある場合は専門の業者に相談・依頼し、最適なWi-Fi環境の構築をサポートしてもらうことをおすすめします。