ACERA 330の特長を紹介 フルノシステムズのIoTゲートウェイ対応アクセスポイント 3分でわかる!無線LANミニ知識

フルノシステムズは2023年にIEEE802.11ah対応のアクセスポイント「ACERA 330」をリリースしました。
IEEE802.11ahでは920mHz帯という比較的低い周波数帯を利用することで、長距離の伝達を可能にしています。

本記事では、ACERA 330の特長を紹介します。

■アンテナを高い位置に設置可能

無線通信では、下図のようにアンテナ間に楕円形に存在するフレネルゾーンという空間があり、長距離で通信するにはこの空間に障害物がないことが重要となります。そのためには、アンテナを高い位置に設置する必要があり、例えば下図のように830mの距離で通信を行う場合、アンテナは少なくとも4.9mの位置に設置する必要があります。

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ACERA 330には、標準で5mのアンテナ延長ケーブルとアンテナ固定用の金具を添付しています。アクセスポイント本体はメンテナンスが容易な低い位置に、アンテナは通信のために高い位置に設置することが可能です。

設置例

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■卓越した無線性能

フルノシステムズは今年で設立40周年を迎える業務用無線機器の専業メーカーです。フルノシステムズの無線機器は技術に裏打ちされた卓越した無線性能を備えることが強みです。

河川敷の見通しが確保できる環境において、アンテナを4.5mの位置に設置し、帯域幅を4MHzに設定、アクセスポイントとステーションの距離を500m1,000mでスループットを測定したとき、500m700kbps程度、1,000mで300kbps弱という結果を得ています。(河川敷は直線で見通しがよく何も障害物がない理想的な環境での測定となります。スループットは環境によって変わりますので、ご注意ください。)

VGA(640x480ピクセル)、フレームレート10フレーム/秒、ビットレート設定128kbpsの動画であれば、上記1kmの環境で伝送することが可能です。

■多様なインターフェイスに対応し、様々なセンサーを収容

ACERA 330は、Ethernet、無線LAN(2.4GHz)、BLEに対応しています。様々なセンサーを収容し、IEEE802.11ahで遠隔に転送することが可能となります。

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また、ACERA 330の無線LAN(2.4GHz)を使ってWAN回線に接続することも可能です。配線工事不要で手軽にIEEE802.11ahの環境を構築することができます。

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■リピータ接続による多段接続に対応

ACERA 330を設定によってリピータに切り替えることにより、複数台を接続することが可能です。これによって通信距離を伸ばすことが可能です。(接続台数は下図のようにリピータ2台までを推奨しています。アクセスポイント、ステーションを含めて計4台になります。)

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920MHz帯を使った通信では、データ送信時に60分間のなかで送信時間の総計が10%である6分間までというルールがあります(10% dutyルール)。リピータはデータ受信時にこの隙間を使って通信するため、リピータによって伝送速度が極端に減ってしまうということはありません。

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■現地での電波検証で使用可能なテストツールを搭載

ACERA 330PCEthernetあるいは無線LANで接続し、Webブラウザ経由で設定を行うことができます。このメニューの中に、現地で電波検証を行う際に使用可能なテストツールを搭載しています。テストツールでは、以下の測定が可能です。

  • 電波強度
  • SNR
  • ping
  • traceroute
  • スループット

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テストツール画面の一例

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■高い環境性能

ACERA 330の動作温度範囲は -20℃ から +60℃まで対応しています。また、防塵・防水性能は IP55 に対応しています。軒下など雨が直接かからない環境では本体をそのままの状態で設置いただけます。日光や雨に直接晒される環境では、本体をプラボックスにいれてご使用されることを推奨しています。

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