学校にWi-Fiはなぜ必要なのか。導入理由とメリット、選び方のポイント 3分でわかる!無線LANミニ知識
近年、学校内でのICT教育の推進に伴い、Wi-Fi環境の整備が急務となっています。特に文部科学省が掲げるGIGAスクール構想により、全国の学校ではタブレット端末の導入が進み、2024年からはデジタル教科書の使用も本格化し、対応の必要性が高まっています。こうした背景から、先生方や教育委員会にとって、無線アクセスポイントの構築やサービス選定は避けて通れない課題です。校務支援やクラウド活用、トラブル時の安心対応まで、最適なWi-Fiの導入は学校全体のICT活用を大きく左右します。本記事では、学校にWi-Fiがなぜ必要か、導入のメリットや選び方、そして具体的な改善策まで、詳しく解説します。
なぜ学校にWi-Fiが必要なのか
文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」では、ICT(情報通信技術)を活用した新たな教育のかたちが提唱され、全国の小中学校で児童生徒1人1台のタブレットPCの整備が進められてきました。さらに、2024年度からは学習者用のデジタル教科書の導入も始まり、教育現場のデジタル化が加速しています。こうした変化を支えるために、学校における高速・大容量のWi-Fi環境の整備は不可欠です。本章では、なぜ今、学校にWi-Fiが必要とされているのか、その理由と具体的なメリット、そして現状の課題について詳しく解説します。
【出典】文部科学省「GIGAスクール構想の実現へ」
URL:https://www.mext.go.jp/content/20200625-mxt_syoto01-000003278_1.pdf
【出典】文部科学省「令和6年度 学習者用デジタル教科書が提供される学校の皆様へ(事前の登録作業のお知らせ)」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/digital/data_00006.html
学校にWi-Fiを導入する理由
GIGAスクール構想の目的は、ICTを活用した教育を全国の学校で公平に実現することです。そのためには、タブレット端末を配布するだけでは不十分で、安定したインターネット接続環境の整備が不可欠です。授業では動画を活用した遠隔授業やクラウドへのデータ保存、教員が利用する校務支援システムへのアクセスが求められます。これらをスムーズに行うためには、多数の端末が同時に使用されても通信障害の発生リスクを極力低減させるとともに、高速で安定したWi-Fiネットワークが必要です。
学校にWi-Fiを導入するメリット
Wi-Fiが整備されることで、校舎内のどこからでもインターネットに接続可能となり、児童生徒がさまざまな教室でタブレットを使った学習に取り組めるようになります。これにより、子どもたちの情報活用能力の育成や、主体的・対話的な学びの促進につながります。また、教職員にとってもWi-Fi環境は業務の効率化に大きく寄与します。指導案や教材をクラウド上で共有したり、学習成果をデジタルで記録・発表したりすることが可能となり、校務支援システムや遠隔授業の導入・運用も円滑になります。メールやオンライン会議ツールによる教員間・保護者間のコミュニケーションの活性化も期待されます。
学校のWi-Fiネットワークの現状
しかし、全国の学校でWi-Fiが十分に整備されているとはいえません。文部科学省が2023年末に実施した調査によると、当面の推奨帯域(多くの児童生徒が高頻度に端末を使用しても支障が生じない水準)を満たしている学校は全体の約2割にとどまっています。
特に、生徒数が多い学校ほど必要な帯域幅も大きくなるため、ネットワーク環境の整備状況には地域や学校規模による格差が見られます。推奨帯域に達していなくても授業に一定のICT活用は可能ですが、教育の質や機会の均等という観点からも、Wi-Fi環境の整備は今後の喫緊の課題といえるでしょう。
学校に導入するWi-Fiの選び方
学校でのICT活用を支えるためには、ただWi-Fiを導入するだけではなく、「使いやすく」「安全に」「必要なものを」「拡張できるように」という4つの視点でネットワーク環境を整えることが重要です。これは、文部科学省が推奨する校内ネットワーク構築の基本的な考え方でもあります。
本章では、教育現場において効果的かつ持続可能なWi-Fi環境を構築するために押さえておくべき選定ポイントについて、機能性・管理性・セキュリティ・コスト・拡張性の5つの観点から詳しく解説します。
【出典】文部科学省「校内ネットワークを活用しよう!」
URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/kounai/dounyu.html
利用目的に合った容量とデータ通信速度のものを選ぶ
学校でのWi-Fi利用は、動画視聴やデジタル教科書の活用、クラウドへのファイル保存など多岐にわたります。特に、1つの教室内で多数の生徒が一斉に接続するケースが多いため、同時接続に強い機器の選定が不可欠です。加えて、どのエリアにどの程度の速度のWi-Fiが必要かを事前に把握し、アクセスポイント(無線通信の中継基地)を適切に配置することが安定した通信環境を整える鍵となります。特に古い校舎では、コンクリートの厚みや鉄筋構造が電波の障害になるため、アクセスポイントの設置場所を慎重に検討しましょう。
一元管理できるものを選ぶ
校内のWi-Fiネットワークは、アクセスポイントの数が多くなるほど管理の複雑さが増します。これに対応するために、複数のアクセスポイントを一括で管理・制御できるシステムを導入することが重要です。これにより、教室ごとの接続状況をリアルタイムで監視できるだけでなく、通信障害や電波干渉などの問題にも迅速に対応できます。また、アクセスポイントのファームウェア(機器内部の制御プログラム)の更新も一括で行えるため、情報担当教員の負担軽減や、担当者の異動時の運用引き継ぎの円滑化にもつながります。
セキュリティのしっかりしたものを選ぶ
学校で扱う情報には、生徒や教職員の個人情報や成績データなど、極めて機密性の高い内容が含まれます。そのため、Wi-Fi機器は最新のセキュリティ規格に対応しているものを選ぶべきです。たとえば、「Wi-Fi7(802.11be)」は高速かつ多数同時接続に対応する新しい通信規格であり、教育現場に適しています。また、通信の暗号化には最新の「WPA3」を採用している機器を選ぶことで、不正アクセスや情報漏えいリスクを大幅に減らすことができます。
予算を考慮して選ぶ
Wi-Fi導入には、機器の購入費だけでなく、設置費用・運用管理費・メンテナンス費など、さまざまなコストが発生します。限られた学校予算の中で最適な選択をするためには、トータルコストを見据えた計画が不可欠です。また、文部科学省が実施する補助金・助成金制度を活用すれば、初期導入コストの負担を軽減できます。最新の補助事業情報をこまめに確認し、積極的に制度を活用しましょう。
【出典】文部科学省『「GIGAスクール構想の実現」に関する補助事業の概要について』
URL: https://www.mext.go.jp/content/20200219-mxt_syoto01-000003278_505.pdf
拡張できるものを選ぶ
教育のICT化が進む中で、今後さらに生徒1人あたりの端末台数や使用時間が増加することが予想されます。そうした将来の変化に備えるためにも、拡張性の高いWi-Fi機器やネットワーク構成を選定することが求められます。例えば、新しいアクセスポイントを追加したり、通信設定を柔軟に変更できる構造であれば、環境の変化にもスムーズに対応可能です。設計段階から長期的な運用を見越しておくことが、ICT活用の継続性を支えるポイントです。
【出典】文部科学省「校内ネットワークとは」URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/kounai/kounai.html
学校におけるWi-Fiの導入は、単なるインフラ整備ではなく、教育の質の向上や校務の効率化を支える重要な要素です。目的や予算、将来の拡張性などを総合的に考慮しながら、自校にとって最適なネットワーク環境を構築する必要があります。特に、技術的な専門知識が求められる部分については、ネットワーク構築に精通した専門家への相談を通じて、トラブルのないスムーズな導入を目指しましょう。
学校向けWi-Fiに最適なフルノシステムズのアクセスポイント
GIGAスクール構想の推進により、教育現場におけるICT環境整備の重要性がますます高まっています。そんな中、フルノシステムズの無線LANアクセスポイントは、ICT授業を支える強力なツールとして多くの教育機関から高い支持を集めています。最新機種「ACERA EW770」をはじめとした製品群は、高速通信・安定性・セキュリティ・操作性・管理性といった学校現場に必要な要素をバランスよく備えています。本章では、学校向けWi-Fiにフルノシステムズのアクセスポイントをおすすめする理由を、具体的な特長ごとに詳しくご紹介します。
特徴1. クラス全員が安定かつ超高速で通信可能な「Wi-Fi 7」に対応する機種がある
フルノシステムズの最新モデル「ACERA EW770」は、次世代通信規格Wi-Fi 7(IEEE802.11be)に対応。Wi-Fi7の規格上の最大通信速度は46Gbps(MLO使用時)を誇り、Wi-Fi6/6Eと比較して約4.79倍の高速化を実現しています。さらに、DFS制限を受けない6GHz帯の利用により、周囲の電波干渉を受けにくく、最大24チャネルの広帯域通信が可能。これにより、1台のアクセスポイントで1クラス全員分のタブレット端末(Windows/ChromeOS/iPadOS)を安定接続できる実績があります。
特徴2. アップロードもスムーズな3RF対応の機種がある
ルーターとは、PCやオフィス機器など、必要な機材をLANに接続するためのネットワーク機器です。有線・無線のいずれのネットワークにおいても、複数の端末に繋ぐにはルーターが必要になります。
なお、ルーターの種類には、有線LANルーター、無線LANルーター、モバイルWi-Fiルーター、ホームルーターがあります。
特徴3. 最新の認証方式WPA3対応の機種がある
セキュリティ面では、最新の無線LAN暗号化方式であるWPA3に対応。生徒や教職員の個人情報・学習データを扱う教育現場において、安全な通信環境の構築が可能です。これにより、第三者による不正アクセスや情報漏洩リスクを大幅に軽減します。
特徴4. 大量のアクセスポイントを集中管理でき、クラウド上での管理も可能
校内に多数のアクセスポイントを設置する場合でも、集中管理が可能な管理ツールを利用すれば、設定や運用が効率化されます。さらに、「ACERA EW770」ではクラウド上でのリモート管理にも対応。複数拠点の同時管理や、遠隔地からのトラブル対応も可能です。
特徴5. 動画対応アクセスポイントにはミラーリング機能を搭載
動画対応モデルには、ミラーリング機能が搭載されており、タブレットやPCの画面を無線で大型ディスプレイに投影することができます。視覚的にわかりやすい授業が行えるほか、プレゼンテーション型授業やグループ発表にも最適です。
特徴6. アクセスポイントは電源工事が不要
「ACERA EW770」は、40mmの薄型設計で、天井や壁面に設置しても圧迫感がなく、教室の美観を損ねません。また、PoE(Power over Ethernet)対応のため、電源工事が不要で、既存のネットワーク配線を活用して簡単に導入可能です。
特徴7. 緊急時はアクセスポイントをフリーWi-Fiに切り替え可能
災害や緊急時には、アクセスポイントをフリーWi-Fiモードに切り替えることで、地域住民などに一時的に通信手段を提供することが可能です。学校が地域の拠点として機能することも期待されます。
特徴8. 2006年から学校向けアクセスポイント開発の実績を持つ
フルノシステムズは2006年から教育現場向け無線LAN機器の開発を続けており、多数の小中学校・高校・教育委員会への導入実績があります。学校特有の課題や要望を的確に捉えた製品設計・サポート体制により、多くの現場で信頼を獲得しています。
学校Wi-Fi環境の整備は、教育の質を高める第一歩
ICT教育の進展に伴い、安定した学校Wi-Fi環境の整備は、今や学習基盤の一部となっています。授業中の動画活用やタブレット端末による課題提出、双方向のコミュニケーションツールなど、教育現場での通信需要は年々増加しており、それに応えるネットワークインフラが不可欠です。こうした中で、フルノシステムズの無線LANアクセスポイントは、教育機関向けに特化した豊富な実績と最新技術を備えた製品として、多くの現場で選ばれています。特に最新機種「ACERA EW770」は、Wi-Fi 7対応や3RF、WPA3といった先進機能を多数搭載し、学校に求められる「高速・安定・安全」な通信環境を実現します。今後ますます進化していくICT教育において、無線LAN環境の整備は、単なる通信手段ではなく、子どもたちの学びを支える重要なインフラです。学校Wi-Fiの導入・見直しを検討されているご担当者様は、ぜひフルノシステムズの製品をご覧ください。