平戸オランダ商館 様 Wi-Fiを活用した「エアサイネージ」でスマホに情報配信 ~小・中学生や海外からの来館者が喜ぶ仕掛けづくりで博物館の魅力拡大~

エアサイネージ導入の背景

4世紀の時を経て蘇った、大航海時代の白壁の美しい洋風建築でできた建物が平戸オランダ商館です。この建物は、1639年に築造された石造倉庫を復元したもので、この中には、当時の日蘭交流を伝える資料や貿易品、航海用具などの様々な貴重な品々が数多く展示されています。

平戸オランダ商館は、オープンから2年が経過し、今後、小・中学生などを対象とした教育普及活動やアジア、ヨーロッパ等、海外からの来館者への対応、さらに効果的な展示品の見せ方によるリピーターの増加を期待し、新たな仕掛けづくりを考えていました。

そこで、インターネット回線不要で、Wi-Fiでスマートフォンにコンテンツを配信できるシステム『エアサイネージ』に注目し、導入に至りました。

エアサイネージ導入のポイント

  1. 1.海外からの来館者に対応できる仕組みづくり
    外国語に対応できるスタッフが限定されているため、急な対応をすることが難しい場合がありました。『エアサイネージ』があれば、コンテンツは英語や中国語などの多言語対応になっているので、いつでも、どこでもガイドが可能です。
  2. 2.維持のランニングコストがやさしい
    近年、音声ガイド端末のレンタルがポピュラーとなっていますが、必要端末分の初期導入費用や大掛かりな音声コンテンツづくりなど、ランニングも含めてトータル導入コストが高くなる傾向にありました。『エアサイネージ』ならば、音声ガイド端末のかわり、来館者の持参のスマートフォンが端末がわりとなります。また、コンテンツづくりは『モバイルガイド』(製品提供:ゼコー様)を活用することで、自分たちで簡単に更新できるため、維持ランニングコストも低くなり、タイムリーに来館者にコンテンツを見せつことができるようになりました。
  3. 3.ケース展示されていない資料でも紹介
    平戸オランダ商館では、絵巻物や書物が多く展示されていますが、展示スペースの関係上その一部しかお見せすることができませんでした(ケース展示)。しかし、この『エアサイネージ』+『モバイルガイド』のトータルソリューションならば、ケース内の展示品と関連ある資料や収蔵品など事前に『モバイルガイド』を使って登録しておくことで、来館者のスマートフォンで見ていただくことが可能です。より深い展示品の理解を促し、来館者の満足度をさらに高めていただくことができます。
  4. 4.テキスト+画像+音声+クイズでも理解促進
    通常の音声ガイド端末は、音声だけしかサポートできませんが、『エアサイネージ』の場合、スマホの機能をフルに活用することができます。テキスト情報はもちろんのこと、画像情報、音声データ、さらにはゲームをしながら理解を高めるクイズコンテンツの提供など、画面のタッチパネルを活用しながら楽しく学習できます。

システム概要

『エアサイネージ』+『モバイルガイド』の連携ソリューションで楽々コンテンツ配信

1. エアサイネージによるWi-Fiエリアにコンテンツ配信

『エアサイネージ』は、スマートフォンやタブレット端末から、指定された「ネットワーク」につなぐだけで、コンテンツを閲覧することができます。Wi-Fiエリア内であれば、自由にどこでも接続できるため、来館者は動きながら閲覧できます。

平戸オランダ商館では、館内全体が無線エリアになるような位置にアクセスポイントを設置しています。現在、来館者様の持参端末で活用できますが、年配の方やスマートフォンをお持ちでない方のために、貸出用タブレット端末を3台用意しています。

2.『モバイルガイド』によるコンテンツづくり

『モバイルガイド』は、パソコンでブログを書くような気軽さで、展示物の登録、変更ができます。職員の方が自ら、写真、説明文を入力して、コンテンツの更新を行っています。展示物のコーナーがコーナーごとのテンプレートになっており、追加することで継続運用できます。音声ガイドにおいては、特別な専用業者に依頼しなくても、自分たちで工夫しながら録音し、リアルタイムに配信しています。何回でも更新でき、来館者を飽きさせない工夫をすることで、新たな博物館の魅力を提供しています。

▲ 職員によるコンテンツ作業

来館者の知的好奇心を満たすコンテンツでリピーター拡大

その1.多言語対応

  • ▲ 多言語選択画面

  • ▲ メニュー画面

  • ▲ 音声ガイド画面

その2.クイズコンテンツの提供

  • ▲ クイズ メニュー画面

  • ▲ クイズ 出題画面

その3.入口で音声ガイドの案内

  • ▲ 音声ガイド案内ポスター

その4.エアサイネージの設置

ジャガタラ文(こしょろ)

江戸幕府のキリスト教禁教政策によりジャガタラ(現ジャカルタ)に追放された在留オランダ人やその妻子たちが、故郷を思い送った手紙をいう。

システムインテグレータ様の声

株式会社ゼコー
http://www.zeco.co.jp/
品質・企画課 課長
高巣 良一 様

『エアサイネージ』の大きな特徴である「その場所に来ないと見られないコンテンツ」また、「インターネット回線不要」などをヒントに博物館、美術館専用の展示案内システム『モバイルガイド』を発案しました。

『モバイルガイド』は、博物館、美術館さまでのコンテンツ更新にかかる増大なランニングコストに着目し、ご自分でコンテンツ素材をテンプレートを使って簡単に更新できるようにしています。

『モバイルガイド』のコンテンツ作成ツールで自動生成したUSBメモリーを、『エアサイネージ』へ差し込めば完了です。展示案内機能は、”できるだけシンプルに”をコンセプトにテキスト、写真、音声に絞りメニュー化しました。

また、多言語対応以外にも子供用、高齢者用など様々なコンテンツづくりへの対応も可能です。学芸員の方が、よりタイムリーに、より簡単に、楽しみながらコンテンツを更新していただけるようなシステムをめざしました。

今後もご来館者に「楽しんでいけただきたい」、「展示物にある背景をより伝えたい」などの想いで進化させ、展示案内システム『モバイルガイド』+『エアサイネージ』をトータルソリューションとして博物館、美術館へ積極的に提案していきたいと思います。

お客様の声

平戸オランダ商館
学芸部
出口 洋平 様

平戸オランダ商館は、年間来館者が6万人を超え、アジア、ヨーロッパなど各地からの来館者が増加傾向にあります。当館では、外国人観光客に対応できるスタッフが限定されるため、タイムリーに対応していくことができない場合がありました。

しかし、「エアサイネージ」の導入により、モバイル端末からアクセスした最初のメニュー画面から多言語のひとつを選択することで、テキスト、写真、音声ガイドなど必要に応じた詳しい展示解説をご案内していくことができます。また、ケース展示品以外にも、スペースの関係上、見せられない関連資料があるため、そららも併せてご案内していくことが可能であり、博物館の一層の魅力向上に貢献しています。

また近年、教育事業の一貫として、地域の小・中学生の来館も多く、興味をもって帰っていかれます。来館時には、クイズコンテンツを活用することで、小学生などに楽しみながら歴史を学んでいただいています。平戸オランダ商館の展示物を見ながら、ゲーム感覚で遊べることで、展示品と子供をつなげるツールとして、とても好評です。今後は、このようなツールを活用しながら、なかなか博物館に足を運ばれない高校生や弱年齢層に興味を持ってもらい、来館のきっかけづくりにしていただけたら幸いです。

お客様情報

お客様情報

お客様名
平戸オランダ商館
館 長
岡山 芳治
所在地
〒859-6102 長崎県平戸市大久保町2477番地
URL
http://hirado-shoukan.jp/
展示品
絵図、書物、絵画、航海用具、日用品、貿易関係資料など

[取材実施:2014年7月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

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お問合せ(平戸オランダ商館様)

お問い合わせフォーム
https://www.furunosystems.co.jp/contact/hiradonederland.html

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