Wi-Fiの接続が途切れる原因|原因の究明方法と対処法、強度を上げる対策 3分でわかる!無線LANミニ知識

社内のWi-Fiが頻繁につながらなくなったり、通信速度が遅かったりすると、業務に支障をきたす恐れがあります。Wi-Fi環境を整備することで、業務効率の向上が期待できるでしょう。

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Wi-Fiの接続が途切れたり、つながらなかったりする理由は、主に以下の4つです。

・接続端末に問題がある
・通信環境に問題がある
Wi-Fiルーター、モデム、ONUに問題がある
・インターネット回線自体に問題がある

今回は、Wi-Fiの接続が途切れる原因の究明方法とおすすめの対処法、強度を上げるための対応手順について解説します。

Wi-Fiの接続が途切れる主な原因と究明方法

Wi-Fiの接続が途切れたり回線速度が遅くなったりしてしまうトラブルは、原因を特定しなければ解決できません。ここでは、Wi-Fiの接続が途切れる原因の究明方法と、想定できる主な原因について解説します。

Wi-Fiの接続が途切れる原因の究明方法

Wi-Fiの接続が途切れてしまう主な原因は、以下のいずれかにある場合がほとんどです。

・端末
・通信環境
Wi-Fiルーター
・インターネット回線

はじめに、Wi-Fiが途切れる原因が端末にあるのか、それ以外のものにあるのかをチェックします。複数の端末で通信状況をチェックし、特定の端末のみに異常がある場合は、端末側に問題があると考えて良いでしょう。

複数の端末でWi-Fiが途切れる場合、通信環境・Wi-Fiルーター・インターネット回線のいずれかに問題があります。端末をWi-Fiルーターに近づけて状況が改善すれば、通信環境に問題がある可能性が高いと考えられます。距離に関係なく途切れてしまう場合、まずはWi-Fiルーターやモデム、ONUといった機器をチェックしましょう。各機器に問題がなければ、最後にインターネット回線そのものをチェックしなければなりません。

Wi-Fiの接続が途切れる主な原因

●接続端末に問題がある場合

Wi-Fiの接続が途切れる主な原因をご紹介します。Wi-Fiの接続が途切れる原因箇所が特定できたら、具体的にどのようなトラブルが発生しているのかを確認しなければなりません。
iPhoneやAndoridのスマートフォン(スマホ)、Windowsのノートパソコン、MacBookといった接続端末・接続機器に問題がある場合、想定される主な原因は以下の通りです。

・一時的な不具合
・設定の不備
・古いソフトウェア
OSのバージョン

端末そのものに不具合がある場合はもちろん、Wi-Fi接続設定に不備があることも珍しくありません。端末が機内モードになっていないか、Wi-Fi接続が無効になっていないかなど、チェックしましょう。また、古いセキュリティソフトやOSWi-Fi接続を妨げているパターンもあります。

●通信環境に問題がある場合
端末にも各種通信機器にも問題がなかったとしても、以下のような要因によってWi-Fiが途切れてしまう恐れがあります。

・通信機器と接続端末の距離
・障害物
・雨
・電波干渉

通信機器と接続端末が遠すぎたり、間に壁などの障害物があったりすると、電波が届かず、Wi-Fiも途切れがちになります。また、電波は水に当たると吸収されてしまう性質があるため、雨の日はWi-Fi接続が不安定になります。Bluetoothデバイスや電子レンジなどの電波干渉によって接続不良が起こることも珍しくありません。

●Wi-Fiルーター、モデム、ONUに問題がある場合
ネットワーク機器に問題がある場合も、Wi-Fiはつながらなくなってしまいます。想定される原因は以下の通りです。

・一時的な不具合
・熱暴走
・古いファームウェア
LANケーブルの劣化

ネットワーク機器のトラブルは、再起動などで簡単に復旧するケースもありますが、ファームウェアのアップデートなどの対処が必要になる恐れもあります。

●インターネット回線に問題がある場合

利用しているインターネット回線に問題があるパターンもあります。Googleの「スピードテスト」などを利用して、回線の通信速度をチェックしてみましょう。また、ケーブルテレビ回線やADSL回線といった遅い回線を利用している場合も、思うような速度で通信できないことがあります。

Wi-Fiの接続が途切れるときの対処法

Wi-Fiの接続が途切れてしまう場合の対処方法は、原因によって異なります。以下の4つのケースのそれぞれについて対処方法を解説するので、参考にしてみてください。

・接続端末に問題があるとき
・通信環境に問題があるとき
Wi-Fiルーターに問題があるとき
・インターネット回線に問題があるとき

接続端末に問題があるときの対処法

接続端末に問題がある場合は、以下のの対処方法を試してみてください。

・端末の再起動
・端末の設定見直し

端末を再起動させることで、一時的な不具合が解消される可能性があります。熱暴走により動作に不具合を起こしている場合は、電源をオフにしてから30分ほど放置して放熱し、改めて電源を入れてみましょう。
デバイスのネットワーク設定の見直しも必要です。無線接続が有効になっているかどうか、チェックしてみてください。各種ソフトウェアはもちろん、PCの場合はMacWindows、スマートフォンやタブレットの場合はAndroidiOSのアップデートや再インストールも実施しましょう。端末が故障している場合は修理に出しましょう。

通信環境に問題があるときの対処法

通信環境に問題がある場合は、以下の対処法を試してみてください。

・端末やルーター設置場所の見直し
・中継器の設置
Bluetoothデバイスの変更

まずは、端末やルーターの設置場所を検討してみましょう。できるだけ近い距離で、間に壁などの障害物が無いような場所を選択してください。機器を動かせない場合は、中継器の設置も視野に入れます。Bluetoothデバイスの変更によってネットワーク接続の状況が改善する可能性もあります。干渉波自動回避機能がついているデバイスもあるので、どうしても電波干渉が起こってしまう場合は検討してみてください。

Wi-Fiルーターに問題があるときの対処法

Wi-Fiルーターなど、通信機器に問題があると考えられる場合は、以下の対処方法を検討してみましょう。

・通信機器の再起動
・ファームウェアのアップデート

Wi-Fiルーターの一時的な不具合によってインターネット接続が途切れてしまう場合、再起動によって状況が改善することは珍しくありません。ファームウェアが古い場合はアップデートが必要になるため、メーカーのWebサイトをチェックして方法を確認しましょう。万が一故障している場合は修理や買い替えを検討しましょう。

インターネット回線に問題があるときの対処法

利用しているインターネット回線に問題がある場合は、契約の見直しが必要になります。通信速度の速い回線や、通信が安定している回線・プロバイダーへの切り替えを検討しましょう。

Wi-Fi接続の強度を上げる対策

Wi-Fi接続自体はできているが、どうしても安定しない」「端末やルーターに異常はないが、通信速度が遅い」といった点でお困りの方は、Wi-Fi接続の強度を上げるために、以下の対応も検討してみてください。

周波数を変更する

接続する周波数帯を変更することで、通信が安定することがあります。Wi-Fiの通信規格には、「2.4GHz帯」と「5GHz帯」という2つの周波数帯があり、それぞれ特性が異なります。2.4GHz帯は電波が遠くまで届きやすく、障害物にも強いのが特徴です。しかし、Bluetoothデバイスや電子レンジなども利用する周波数帯なので、干渉しやすいというデメリットがあります。

対して5GHz帯はWi-Fi専用の周波数帯なので、他の家電やデバイスに干渉されることがありません。しかし5GHz帯は障害物などに弱いため、ルーターや端末の設置場所には注意が必要です。2.4GHz帯と5GHz帯を、端末や設置場所によって使い分けると良いでしょう。

Wi-Fi 機器のスペックを上げる

社内のWi-Fi機器の買い替えや買い足しにも、通信を安定させる効果が期待できます。接続端末数が増えたり、オンラインミーティングなどを実施したりすることで通信量が増えるとルーターに負荷がかかるため、回線が不安定になってしまいます。高負荷通信に対応できる業務用ルーターなど、スペックの高い機器の導入を検討してみてください。

Wi-Fiの電波が弱いときの対処法については以下の記事も参照ください。

Wi-Fiの「電波が弱い」「速度が遅い」ときの主な対処法

Wi-Fiが途切れる場合は原因を特定してから対応を

Wi-Fiが途切れてしまう場合は、原因を切り分けて特定してから対処法を検討する必要があります。端末だけに問題がある場合もあれば、距離や家電、Bluetoothデバイスによる干渉を受けている場合、インターネット機器の不具合や回線そのものに問題がある場合など、原因はさまざまです。

まずは一つずつ原因と思われる箇所をチェックし、対策を検討しましょう。いずれの対応を実施しても状況が改善しない場合は、メーカーやプロバイダーへの相談も検討してみてください。