Wi-Fiの「電波が弱い」「速度が遅い」ときの主な対処法 3分でわかる!無線LANミニ知識

iPhoneなどのスマホやパソコンをインターネット接続するための技術「Wi-Fi(ワイファイ)」は、自宅はもちろん、公共施設などさまざまな場所で利用できます。ただ、いつでも快適に使用できるわけではなく、通信環境によっては電波が弱くなったり、通信速度が遅くなったりするケースも珍しくありません。特にビジネス用途でリモートワーク先や会社にWi-Fiを導入する際は、業務に支障が出る恐れがあるので事前にしっかりと主な原因を把握し、必要に応じて対策を講じることが大切です。

Wi-Fi接続が不安定な場合の対処法はこちら

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Wi-Fiの電波が弱いor速度が遅いときの主な対処法

Wi-Fiの電波が弱い、もしくは通信速度が遅くなる原因としては「端末」、「Wi-Fiルーター」、「インターネット回線」の3つに起因するケースが考えられます。それぞれの代表的な確認方法を以下で解説します。注意点としては、原因を判別しやすくするために必ず「一つずつ」確認してください。

PCなどの端末が原因と考えられる場合

端末の不具合などでWi-Fiを正しく接続できないケースは珍しくありません。その際は、端末を再起動することで電波強度や通信速度が元に戻る可能性があります。スマートフォンやパソコンであれば、確認作業も比較的簡単なので不具合があった際はまず再起動することをおすすめします。

再起動しても電波や通信速度が遅い場合、Wi-Fiに接続している端末の数を減らしてみましょう。業務用のパソコンやタブレット、スマホが多いオフィスはもちろん、近年はロボット掃除機やエアコン、除湿機といったインターネット接続できる家電製品「スマート家電」が増えたこともあり、自宅でもWi-Fiに対して「端末過多」になりやすい傾向があります。Wi-Fiルーターの接続上限を確認し、制限されている数に達していなくても接続数を減らすことでルーターやモデムの負担を軽減でき、正常に通信できる可能性も考えられます。

スマートフォンやパソコンにインストールしたセキュリティソフトやファイアウォールが、Wi-Fiの通信の妨げになるケースも珍しくありません。端末の設定を確認し、端末のセキュリティソフトを一時的に無効にして通信状況をチェックしてみましょう。改善した場合はセキュリティソフトが一因であることが考えられます。確認が完了したら、必ずセキュリティソフトを有効に戻した後に対策を講じてください。

Wi-Fiルーターが原因と考えられる場合

Wi-Fiの親機や子機による通信に不具合が生じるケースもあります。まずはアンテナの向きや設置場所を変えるなど、端末が電波を受信しやすいように調整してみましょう。それでも改善できなければ、適切な方法でWi-Fiルーターを再起動してください。その際は熱暴走の対策の一貫として、電源を落とした後、しばらく放熱させてから起動することをおすすめします。また、電波が干渉しにくいように金属や電子レンジなどからルーターを離すなど、部屋内の置き場所を変えるのも有効です。

また、Wi-Fiの制御プログラムである「ファームウェア」が更新されていない場合は最新版にアップデートしてみましょう。ファームウェアの状況は設定画面で確認することができます。最新バージョンのファームウェアに対応できない場合、ルーターを買い替えなければいけないケースもあります。

Wi-Fiの親機や子機の買い替えや電波を妨害する家電製品や障害物の排除なども試してみましょう。特に電子レンジやコードレス電話と電波干渉しやすい2.4GHzの周波帯を利用しているのであれば、5GHzに変更するのも有効な手段の1つです。また、Wi-Fiルーターの接続方式を「IPv6」にすることで、より混雑要素の少ないネットワークを利用でき、高速通信しやすい環境の構築につなげられます。

インターネット回線が原因と考えられる場合

デバイスやWi-Fiルーターに不具合が見られない場合、インターネット回線そのものの通信障害が原因かもしれません。確認の手順としては、まずはプロバイダのホームページやサービスサイト、SNSなどをチェックして公式アナウンスや同様の報告がないか確認してみましょう。通信障害はユーザーでは対処が不可能であるため、時間を置いて利用してください。回線がさらに混雑して復旧に支障をきたす恐れがあるので、むやみに接続し続けるのは推奨されません。また、契約で通信量の上限が設けられている場合、通信制限によって速度が低下しているケース(速度制限)も考えられます。また、移動中にモバイルルーターを使用するなど、新しいインターネット環境で接続が失敗する場合、提供エリアを確認することもおすすめします。

Wi-Fiの電波の強さや速さを改善する方法

Wi-Fiの電波の強度を高めるほか、速さを改善する方法を3つ紹介します。いずれも設置環境や使用状況に最適化することが重要なポイントです。

中継器を使用する

Wi-Fiルーターの中継器を物理的に広げるための機器を「無線LAN中継器(Wi-Fiルーター中継器)」といいます。Wi-Fiルーターの親機とデバイスの電波を文字通り「中継」するための機器であり、オフィスの壁やパーティション(間仕切り)、もしくは異なるフロアまで電波を正常に接続できるため、通信状況の改善につなげられます。中継器には本体の差し込みプラグを「コンセントに直接つなぐ」もしくは「ケーブルで電源につなぐ」の2タイプに大別できるので、自社の環境に合わせた機器を選択・導入してください。

インターネットの契約プランを見直す

インターネットの契約内容によって最大通信速度が異なるため、利用する回線やプランの最適化も電波環境の改善において重要なポイントの1つです。例えば、ホームルーターやキャリア回線、モバイルWi-Fi(モバイルルーター)に比べると、光回線の方が通信速度は早く、時間帯によって回線が混雑しても安定しやすいのが特長といえるでしょうただし、地域や使用機器、オフィスが入居しているビル・マンションによっても通信速度は変化します。また、動画や写真などの大容量データの通信のやりとりの有無、頻度によっても適切な回線は異なるため、社内環境をしっかりと把握したうえで、月額料金・初期費用といった費用も考慮したうえで過不足のないプランに加入、乗り換える必要があるでしょう。

業務用アクセスポイントを導入する

大規模なオフィスやカフェ、公共施設などの不特定多数がWi-Fiに接続する環境を構築する場合は「業務用アクセスポイント」の導入を検討してみる価値があるでしょう。業務用アクセスポイントとは、通常のWi-Fiルーターと比べると多数の端末が同時にインターネット接続できる仕組みの無線LAN機器です。さらに多数のユーザーが利用する前提のセキュリティや管理機能を備えているため、より幅広いWi-Fi環境の改善が図りやすいのもメリットといえるでしょう。

業務用アクセスポイントの導入事例

株式会社フルノシステムズでは公共施設から小規模オフィスまで、幅広い業種や場所に適した業務用アクセスポイントを構築しています。今回はその一部である「小規模オフィス」と「貸会議室・バンケットホール」での実績を紹介します。

小規模オフィスでの導入事例

東京都目黒区の人材会社「ジェイシップ株式会社」の家庭用ルーターから業務用アクセスポイントの切り替えとして、フルノシステムズが提供する「ACERA」を2台導入していただきました。切り替えの理由は「従業員数の増加」と「20台程度の端末がスムーズにネットワーク環境できる通信環境の構築」、さらに「IT専門スタッフがいなくても導入できる業務用Wi-Fiの導入と運用体制の構築」が挙げられます。

同社では質の高い業務用アクセスポイントであるACERAのほか、導入設定やネットワーク管理業務の負担軽減のため、クラウド型Wi-Fiサービス「ACERA Connect」を利用いただいています。月額利用のためアクセスポイントそのものの購入費用が不要であることに加え、クラウド型の無線ネットワーク管理システム「UNIFAS」によるプロの管理サポートサービスを採用いただきました。その結果、複数端末の同時安定接続や通信負荷の大きいリモート面談にも対応できるネットワーク環境を実現しつつ、IT専門スタッフがいなくても管理しやすい体制も構築しました。

事例・実績|ジェイシップ株式会社様

貸し会議室・バンケットホールでの導入事例

東京都千代田区にある複合ビル「九段会館テラス」の23階にある2つのバンケットホール(宴会場)と8つの貸会議室には、フルノシステムズのWi-Fi6対応アクセスポイント「ACERA(アセラ)1310」を合計16台設置されています。コロナ禍で高まったオンライン活用の需要に対応できる安定・高速な通信環境を多台数端末の同時安定接続するためにフルノシステムズの業務用アクセスポイントが採用されました。さらに運営側には欠かせない管理運用業務の負担軽減のため、無線ネットワーク管理システム「UNIFAS(ユニファス)」を活用。「安定・多台数接続」というネットワーク環境は、同施設の「隠れたアピールポイント」になっているといいます。

事例・実績|九段会館テラス様

Wi-Fiが弱い場合は通信環境の全体を俯瞰した対策を

Wi-Fiが弱い原因や対策などを紹介しました。Wi-Fi環境が普及した昨今、インターネットを使ったビジネスは「空気のように当たり前」になりつつあります。だからこそ、Wi-Fiが弱いもしくは不安定な状況は、あらゆる業務に悪影響を及ぼすリスクがあり、解決しなければならないとも考えられるでしょう。

事業規模によっては家庭用のWi-Fiでも十分なケースもありますが、不具合が生じるリスクやデメリット、その対応の手間などを考えると業務用Wi-Fiへの切り替えも検討する価値は高いのではないでしょうか。フルノシステムズでは、ハード・ソフトを問わず幅広い環境に適した無線LANソリューションを提供しています。Wi-Fiの電波や通信環境にお困りの際は、ぜひ一度、ご相談ください。

業務用Wi-Fiを導入するならフルノシステムズ