ネットワークトラブルとは?主な要因と発生時にすべきこと、予防策 3分でわかる!無線LANミニ知識

企業の業務を円滑に進めるために、ネットワーク環境の整備は欠かせないタスクのひとつです。ネットワークにトラブルが発生すると、社内の業務が滞り、経済的な損失につながるリスクが高まるため、予防策の実施や対処方法について把握しておかなければなりません。

本記事では、ネットワーク機器のトラブルの影響や想定される要因とトラブルシューティング、おすすめの予防策について解説します。企業のネットワーク担当者の方はぜひ参考にしてみてください。

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ネットワークトラブル(ネットワーク障害)の基礎知識

ここでは、ネットワークトラブルの基礎的な知識として、以下の2つのポイントについて解説します。

・ネットワークトラブルとは
・ネットワークトラブルによる主な影響

ネットワークトラブル(ネットワーク障害)とは?

「ネットワークトラブル」とは、ネットワークに異常が発生して正常に機能しない状態を指します。インターネットや社内ネットワークにつながらない状態が典型的で、規模や内容によって業務への影響も異なります。

トラブルによっては大きな損失が発生したり、他社や顧客にも影響を及ぼしたりする可能性もあるため、トラブルが発生しにくいネットワークの構築が必要です。

ネットワークトラブルによる主な影響

ネットワークトラブルによって、業務には大小さまざまな影響が発生します。主な影響は以下のとおりです。

・業務の滞り
・社内システムの利用停止
・自社サイトの運用停止

例えば、ネットワークトラブルによってインターネットへの接続ができなくなってしまうと、業務が滞るおそれがあります。社内チャットが利用できなくなったり、プリンターが正常に動作しなくなったりといった影響があります。また、社内システムにアクセスできなくなってしまうことで、業務が停止してしまうおそれもあります。たとえば、生産現場での作業がストップしてしまうと、大きな経済的損失につながってしまうでしょう。
運用中の自社サイトへのアクセスがストップしてしまうと、経済的な損失につながる可能性もあります。たとえば、社内でECサイトを運用している場合、ユーザーからの注文受付や問い合わせが停止してしまい、機会損失につながるおそれが高まります。

ネットワークトラブルの主な要因と対処法

ここでは、ネットワークトラブルの主な要因と対処方法について紹介します。ネットワークトラブルの要因は、大きく以下の2つに分けられます。

・社内要因
・外的要因

ネットワーク接続中の端末や機器の故障・設定ミスなどが該当する「社内要因」に対して、外部のサービスや環境による「外的要因」の場合、復旧までにどれくらいの時間を要するかの見通しを立てづらい傾向にあります。それぞれの概要と対処方法を把握しておきましょう。

主な社内要因

主な社内要因として、以下が挙げられます。

・故障や不具合
・設定ミスなどの人的要因
・帯域の占有

ネットワークを構成するハードウェアの不具合や物理的な故障によって、トラブルが発生することは珍しくありません。故障の原因を探すためには、スイッチングハブやルーター、モデムなどをひとつずつ調べる必要があります。対処法としては、故障や不具合に対しては、ケーブル断線や緩みのチェック・交換や、使用中の各機器の電源の再起動などで解決できる場合があります。
メンテナンスや構成変更時に起こりやすい設定ミスなどの人的要因も、ネットワークトラブルを引き起こします。コンフィグ設定のミスや有線LANケーブルの差し違えに注意しなければなりません。人的要因によるトラブルが疑われる場合の対処法としては、直近で機器を触った担当者や業者、ネットワーク設定・管理担当者に問い合わせる必要があります。
また、帯域の占有によってネットワークに障害が発生することもあります。特定のデバイス・スポットで大容量の通信が行われる際に発生しやすいトラブルです。帯域の占有が疑われる場合の対処法としては、大容量のトラフィックや不審なアクセスが帯域を圧迫していないか調査する必要があります。帯域を占有する通信が完了すれば、ネットワークは通常の状態に戻ります。

ネットワーク帯域について詳しくは以下の記事もご参照ください。

https://www.furunosystems.co.jp/column/2023/08/001551/

主な外的要因

主な外的要因として、以下が挙げられます。

・回線事業者・プロバイダー側の障害
・災害によるネットワーク障害

回線事業者やプロバイダー側で障害が発生しているケースもあります。社内要因が見つからない場合は外的要因の可能性を検討してください。サービスの稼働・保守状況をWebサイトやSNSなどで確認しましょう。事業者側では多くの場合、予備の機器や設備に自動的に切り替えられる体制が用意されています。自社での対応はできないため、回線事業者やプロバイダー側の復旧対応を待たなければなりません。

災害が原因でネットワークトラブルが発生することもあります。規模の大きな台風や地震などによって、ケーブルの切断や停電が発生することがあるからです。こちらも自社で対応はできないため、情報収集をしつつ状況の改善を待つ必要があります。

ネットワークトラブルの発生時にすべきこと

ネットワークトラブルが発生した際は、まずトラブルの規模を把握し、規模手掛かりに原因の切り分けを行います。原因がはっきりしないとスムーズなトラブル対応ができないため、想定される要因を事前に把握しておかなければなりません。

ネットワークトラブルの範囲・規模によって、要因は以下のように想定されます。

範囲・規模

ネットワークトラブルの考えられる要因

1台のPCのみ

PCにつながるLANケーブルの故障、不具合
PC本体の不具合
PC本体のWi-Fi設定ミス
PCで利用しているアプリケーションの不具合・設定ミス

複数のPC

・共通して接続している機器の故障、不具合
・ネットワーク設定や配線のミス

社内・オフィス全体

・共通して接続している機器の故障、不具合
・ネットワーク設定や配線のミス
・回線やプロバイダー側の外的要因

ネットワークトラブルを回避するための予防策

ネットワークトラブルを回避するために企業が実施しておきたい対策として、以下の2点について解説します。

定期的にメンテナンスを行う

・ネットワークを冗長化する

定期的にメンテナンスを行う

社内のIT機器について、普段から定期的にメンテナンスを実施しましょう。機器の故障や不具合を早期発見しやすくなります。メンテナンスを行う際はスケジュールを社内で周知しておきましょう。メンテナンスを円滑に進められるだけでなく、後で問題が起こった場合に対応しやすくなります。

ネットワークを冗長化する

冗長化とは、多くの予備の設備を用意してネットワークを運用することを指します。機器の故障や不具合が発生しても、予備の機器に迅速に切り替えられれば、システムや業務を停止せずに復旧させられます。

ネットワークトラブルは原因の切り分けと予防策が重要

ネットワークトラブルが発生すると、業務が滞り、経済的に大きな損失につながる可能性があります。トラブルが発生した際にも焦らず対応できるように、日頃から対処法を整理・周知しておかなければなりません。

もちろん、ネットワークトラブルが発生しないような予防策の実施も必要です。定期的なメンテナンスや冗長化を行い、障害に強いネットワークを構築しましょう。