ハンディーターミナルの使い方|主な機能と活用事例、選び方は? 3分でわかる!無線LANミニ知識
ハンディーターミナルは、片手で持てるほどの携帯端末で、本体上部についたバーコードリーダーをかざすだけで瞬時に対象の情報を読み取り、自動で管理してくれる機器です。また読み取りだけではなく、簡易レジや決済機能など新しい機能を持った機器が登場しています。ハンディーターミナルを使用すれば、従業員の負担軽減やヒューマンエラーによるミスの防止に役立つため、物流業界や小売業界などさまざまな分野で活用されており、今後も注目を集めるでしょう。
ハンディーターミナルの基礎知識
ハンディーターミナルの主な特徴は、対象のバーコードや二次元コードをボタン一つで瞬時に読み取り、リアルタイムで情報を管理できる点にあります。そのほかハンディーターミナルができることについて紹介します。
ハンディーターミナルとは?
データ入力や情報収集に利用される携帯端末のことで、片手で持ち運びが可能なコンパクトサイズです。昨今では自社用のスマートフォンやタブレットにアプリケーションをダウンロードして、ハンディーターミナルとして使用できるシステムや、画像認識(OCR)機能が搭載されたモデルも登場しています。
ハンディーターミナルの主な機能
・バーコード・2次元コードの読み取り機能
多くのハンディーターミナルには、バーコードや2次元コードを読み取る機能が備わっています。本体に搭載されたレーザースキャンモジュールまたはカメラで対象のコードを読み取ると、バーコードのバー自体や間隔の違いなどを自動で感知する仕組みになっており、含まれた情報を短時間で収集したり管理したりできます。
・音声認識機能
一部のハンディーターミナルでは、音声を認識する機能が備わっています。パソコンやスマートフォンでGoogleを開いた際、音声で検索することもあるでしょう。同様に、ハンディーターミナルも作業者の音声を認識して、伝えたとおりの内容を自動で入力したり検索したりできます。文字を打つ手間が省けるため、業務効率の向上に役立つでしょう。
ハンディーターミナルの使い方
ハンディーターミナルに含まれているソフトは、ほとんどが そのため操作はAndroidのスマートフォンとほぼ同じ製品が多く、機能やメーカー、利用する業務によって使い方は若干異なるものの、他社製品同士でも操作がほぼ共通しています。
Step1.電源を入れる
初めに本体の電源を入れます。機種によって電源ボタンの位置は異なりますが、本体側面や上部にある場合が多いです。また機種によっては自動で電源のオンオフが設定されているモデルもあります。
Step2.画面を操作する
本体を操作しながら使用します。通常は本体のボタンを押して操作しますが、昨今ではスマートフォンのように画面をタッチして操作するタッチパネル式のタイプもあります。Androidのスマートフォンと画面が似ているため、お手持ちのスマートフォンがAndroidの方にとっては馴染みやすいといえるでしょう。
Step3.データを入力する
バーコードを読み取ってデータを入力します。ハンディーターミナルには上部にバーコードリーダーが付いているため、ボタンを押しながら対象のバーコードを読み取ります。バーコード化されていない情報は、手動や音声で数値や文字を入力します。バーコードを読み取る以外にも、赤外線通信などでデータを送受信することもあります。
Step4.データを確認して送信する
読み取った後で、画面上に表示されたデータを確認します。データはサーバーや他の端末への送信が可能で、プリンターと一体型のモデルならばそのまま用紙やラベルに印刷できます。
【業界別】ハンディーターミナルの活用事例
ボタン一つで瞬時にデータを読み取り自動でサーバーに蓄積できるハンディーターミナルは、物流業界や小売業界、医療業界などでさまざまな用途に用いられています。
事例1:物流業界におけるハンディーターミナルの活用事例
物流業界は取り扱う荷物の量が膨大かつ複数の拠点や人が携わるため、倉庫内の荷物の把握やピッキング、検品作業の際に大変役に立ちます。荷物の入庫や出庫時にバーコードを読み取って正確な記録を作成したり、配送先で荷物のバーコードを読み取り、配送完了処理を行ったりします。
事例2:小売・流通業界におけるハンディーターミナルの活用事例
多くの商品を取り扱う小売業界では、製品の在庫管理や検品、棚卸作業などに活用できます。またハンディーターミナルで読み取って蓄積されたデータと照らし合わせれば、欠品も瞬時に見つけられるため、発注管理も容易です。昨今ではハンディーターミナルに簡易レジの機能が備わったタイプもあり、決済と同時に在庫数から自動で差し引いてくれるため、商品の在庫管理が容易になります。
事例3:FA・製造業界におけるハンディーターミナルの活用事例
FA・製造業界では商品を製造するための部品を多く取り扱うため、各部品や商品管理が要です。ハンディーターミナルを使用すれば、膨大な部品の管理における入力漏れや発注ミスを防止し、従業員の負担を軽減できます。
事例4:医療業界におけるハンディーターミナルの活用事例
電子カルテや院内連絡が行えるPHSのような機能を備えたハンディーターミナルが活用されています。薬剤が入った袋を読み取ることで投薬管理や患者照合が行えるうえ、電子カルテへ自動で反映してくれる機能もあります。また薬局の調剤管理にも使用されており、膨大な種類の医薬品管理に役立てられています。
事例5:インフラ(電気・ガス・水道)業界におけるハンディーターミナルの活用事例
多くのインフラ設備には定期検査業務が欠かせません。また設備の製品や部品には番号が割り振られており、これまでは手作業で入力したり記載したりしていました。ハンディーターミナルなら検査業務が短時間で完了できるうえ、自動でお知らせ伝票を印刷して家のポストに投函したり、ほかの端末と連絡を取り合ったりできます。
事例6:飲料販売業界におけるハンディーターミナルの活用事例
日本国内に数多く設置されている自動販売機では、機器本体のデータを読み取ることで販売されている飲料の種類データを蓄積させ、飲料別に最も効率が良い配送ルートを表示してくれます。また在庫数の記録から、補充すべき時期の決定にも役立てられています。
ハンディーターミナルの選び方
ハンディーターミナルは音声認識や簡易レジ機能などさまざまな機能を搭載したモデルが登場しています。しかし導入コストを考慮すると、各現場や用途に合った適切な機器を選定することが重要です。
バーコードが読み取りやすいか
バーコードにも複数の種類があり、業界や現場により使用すべきバーコードは異なります。どの種類のバーコードを使用すべきか、それぞれの特徴を把握したうえで決めましょう。またバーコードの種類によって読み取ることが得意なハンディーターミナルも異なります。各バーコードの違いについては下記の記事に記載しておりますので、あわせてお読みください。
落下耐性や防水機能があるか
倉庫や工場内など、広い場所を動き回る際は何かの拍子に落としたり設備にぶつけたりすることが想定されます。また複数人が交代で使用する際も、速い速度で劣化するでしょう。そのため落下耐性や防水機能が付いた端末を選定しましょう。
画面は見やすいか
数字やバーコード、製品名を確認するため画面の見やすさは大変重要なポイントです。文字の大きさや複雑な画面設定がないかどうか、確認しましょう。特に現場で取り扱っている製品や部品が多い現場ほど、見間違い防止のために文字が見やすいタイプを選定すべきです。
有線タイプか無線タイプか
ハンディーターミナルには有線タイプと無線タイプがあります。有線タイプは連携させているパソコンにや機器と接続して使用するため使用できる範囲が限られますが、通信が途切れるリスクは少ないです。一方で無線タイプは単体でも動作するため使用できる範囲が非常に広いですが、電波不良等の際は通信が途切れる可能性があります。有線タイプと無線タイプ双方のメリットとデメリットを比較しつつ選定しましょう。
操作性は十分か
タッチパネルを使用した操作ができるかどうか、キーボードは押しやすいかどうかなど、操作のしやすさを確認します。ボタン操作ならば、押しやすいボタン設計になっているかどうかが大切です。小さすぎて押しにくい場合、誤操作を誘発する可能性があります。
連続利用可能時間は十分か
バッテリーの持続時間はできるだけ長い方が好ましいですが、長いほどコストがかかる傾向にあります。作業時間や営業時間内に、頻繁に充電しなくても済むくらいの時間があるかどうかで判断しましょう。
通信速度は十分か
リアルタイム性が求められる現場であれば、通信速度が速いタイプを選びます。バーコードの読み取りが早くても通信速度に難がある場合、作業効率は上がりません。特に大量のデータを送受信する頻度が多い現場の場合は、最も重視すべきポイントであるといえます。
サポート体制は整っているか
特に初めてハンディーターミナルを導入する場合は、必ずベンダーによるサポートが必須です。エラー時や故障時の対応はもちろん、企業によっては導入時から手厚いサポートが受けられる場合があるため、ベンダーのサポート体制について確認が必要です。
ハンディーターミナルは現場や業種により使い方が異なる
ハンディーターミナルは、これまで手入力で行っていた作業を自動化できるため、業務時間の長期化や従業員の負担が多いなどに対する課題解決が実現できます。またハンディーターミナルの導入を前提とした業務フローに調整することで属人化を防ぎ、人員育成のコスト削減にも貢献します。導入メリットが多いハンディーターミナルを選定するときは、ベンダーへ実際に問い合わせて、サポート体制やお試し導入についてたずねましょう。