Wi-Fiが「インターネット接続なし」と表示される原因と対処法 3分でわかる!無線LANミニ知識
PCやスマートフォンをインターネットに接続するとき、欠かせないのが「Wi-Fi(ワイファイ)」です。通常は簡単かつ快適に接続できるからこそ、いざ「インターネット接続なし」と表示されると焦ってしまう人は少なくないのではないでしょうか。今回はWi-Fiを接続したにもかかわらず「インターネット接続なし」と表示される代表的な原因と、原因特定の方法、解決のための対処のポイントについて解説します。ぜひ参考にしてください。
Wi-Fiとは?
Wi-Fi(ワイファイ)とは、Wi-Fiルーター、スマートフォン(スマホ)、PC(ノートパソコン、デスクトップパソコン)、プリンター、タブレットなどの端末をインターネットに接続するための「無線LAN規格」の1つです。ちなみにLANとはローカルエリアネットワークの略称です。「Wi-Fi」は「Wireless Fidelity(ワイヤレス・フィデリティ)」の略で、近距離の範囲内でインターネットと機器、機器同士などの機器を結ぶ役割を担っています。
Wi-Fiとモバイル回線・光回線といった「インターネット回線」はしばしば混同されることがありますが、両者は完全に別物であることを覚えておきましょう。インターネット回線に接続すれば、当然インターネットを利用できますが、Wi-Fiはあくまで無線通信技術の規格の一種です。また、Wi-Fiルーターはあくまで「中継・接続」を目的とする通信機器であり、デバイスがWi-Fiでインターネットに接続するためには、Wi-Fiルーター自体が正常にネットワーク接続できているのが前提条件なのです。これはWi-Fiに接続してもインターネットに接続できない理由を確かめるうえで重要な仕組みなので、ぜひ覚えておいてください。
参考)「インターネットの接続方法や必要な準備、接続できない場合の対処法」
Wi-Fiの「インターネット接続なし」表示の基礎知識
Wi-Fiに接続していても「インターネット接続なし」と表示される場合、単なる一時的な不具合から、通信機器やネットワーク設定に起因する深刻な問題まで、多岐にわたる原因が考えられます。
本章では、Wi-Fiの「インターネット接続なし」表示に関する基本的な知識を解説します。
「インターネット接続なし」とは?
「インターネット接続なし」とは、Wi-Fiネットワークとの接続状態には問題がない、あるいは接続しようとしているのに、インターネット通信自体が行えない状況を指します。
主に以下の2つの状態が考えられます。
- Wi-Fiには接続できているが、インターネット回線にアクセスできていない状態
- 例:Wi-Fiルーターと端末は接続済みだが、回線が切断されている、またはONUやモデムに不具合がある
- Wi-Fiネットワーク自体に接続できていない状態
- 例:SSIDが非表示、暗号化キーの誤入力、電波が届いていない など
この違いを正確に把握することが、原因の切り分けや復旧のスピードに大きく影響します。
「インターネット接続なし」の場合に表示されるマークと意味
多くのデバイスでは、ネットワーク接続に関するエラーを視覚的に知らせるため、ステータスアイコンに特定のマークが表示されます。
主なマークの例とその意味は以下の通りです。
マーク |
意味 |
「!」 |
Wi-Fiには接続しているが、インターネットへの通信に失敗している状態。DNS設定やIPアドレスの取得失敗などが原因となることも。 |
「×」 |
デバイスがWi-Fiに接続できていない状態。SSIDの誤認識やパスワード間違いなどが想定される。 |
「※」 |
周辺に有効なWi-Fiが存在しない、またはWi-Fiルーターの電源がオフになっている状態。 |
地球儀 |
Wi-Fiには接続されているが、インターネット接続が不安定または切断されている状態。回線側の障害が疑われることもある。 |
このような表示を参考に、ネットワークのどの段階で問題が生じているかを見極めることが大切です。
「セキュリティ保護あり」が同時に表示されるとき
「セキュリティ保護あり」という表示は、そのWi-Fiネットワークが暗号化されており、パスワードによるアクセス制限がかかっていることを示しています。これは不正アクセスを防ぐための仕組みであり、企業環境では重要なセキュリティ対策の一つです。
この表示が出ている場合、スマートフォンやPCなどのデバイスで正しいパスワード(暗号化キー)を入力する必要があります。ただし、入力したパスワードが間違っている場合や、Wi-Fiルーター側の設定が変更されていると、接続できずに「インターネット接続なし」と表示されることがあります。
セキュリティ保護があること自体は問題ではありませんが、正しい接続手順とパスワードの確認が必要です。
Wi-Fiの「インターネット接続なし」の原因を特定する方法
「インターネット接続なし」の表示が出たとき、まずは何が原因なのかを迅速に切り分けることが重要です。原因がWi-Fiルーターなのか、デバイス側なのか、あるいは回線側なのかを見極めれば、適切な対処法を選択できます。ここでは、簡単かつ効果的な方法を用いて、原因を段階的に特定する手順を解説します。
別のWi-Fiルーターで接続を試す
まず、現在接続しているWi-Fiルーター以外のネットワークでインターネットに接続できるかを確認しましょう。例えば、モバイルルーターやスマートフォンのテザリング機能などを活用して、同じデバイスでインターネットにアクセスしてみます。他のWi-Fiルーターやテザリングで問題なく接続できる場合、元のWi-Fiルーターやその周辺機器(ONUやモデムなど)に問題がある可能性が高いです。Wi-Fiルーターの再起動やLANケーブルの挿し直し、電源の確認を行うと改善するケースもあります。Wi-Fiルーターの寿命やファームウェアの不具合が原因となっていることもあるため、複数年使用している場合は買い替えやサポートへの問い合わせも視野に入れましょう。
別のデバイスで接続を試す
Wi-Fiルーター側に問題がなさそうな場合は、他の端末(ノートPC、スマートフォン、タブレットなど)で同じWi-Fiに接続できるかを試してみましょう。別のデバイスで問題なく接続できる場合、元のデバイスに設定上の問題やハードウェア的な不具合がある可能性があります。逆に、すべての端末で接続できない場合は、Wi-Fiルーターや回線側に問題があると考えられます。端末側のトラブルであれば、再起動やネットワーク設定のリセット、ドライバーの更新などが有効です。必要に応じて、OSのアップデートや一時的なセキュリティソフトの無効化も試してみてください。
Wi-Fiが「インターネット接続なし」と表示される主な原因
Wi-Fiに接続されているにもかかわらず「インターネット接続なし」と表示される場合、原因は主に「Wi-Fiルーター」「デバイス」「回線」の3つのカテゴリに分けられます。それぞれの原因を把握することで、適切な対処が可能になります。以下に代表的なトラブル要因を紹介します。
Wi-Fiルーターが原因の場合
Wi-Fiルーターが原因の場合、さらに以下の3つに原因が細分化されます。
・Wi-Fiルーター本体のトラブル
自宅のWi-Fiルーターやモバイルルーターの不具合・故障によって、正常にインターネット接続できないケースがあります。Wi-Fiルーターは公衆、家庭用を問わず基本的に電源を入れ続けることが多いため、設置場所によっては熱がこもりやすくなってしまいがちです。デジタル機器にとって過度の熱はトラブルを発生させる代表的な要因になるので注意が必要です。
・Wi-Fiルーターの設定ミス
Wi-Fiルーターのネットワーク設定のミスによって正常にインターネットに接続できない場合もあります。特に引っ越しなどで自宅にWi-Fiルーターを新しく設置した際に想定されやすいトラブルで、説明書通りに正しく各ランプが点灯しているか確認してみましょう。色や点滅の仕方が説明書と異なる場合は、トラブルシューティングなどをチェックして対応する必要があります。
・Wi-Fiルーターのスペック不足
Wi-Fiルーターには、同時接続可能な端末の数が設けられていることがほとんどです。上限以上のデバイスを接続した場合、接続状況が不安定になって通信速度が遅くなったり、接続できなくなったりする可能性も考えられます。
デバイスが原因の場合
PC(Windows、Macなど)やスマートフォン(iPhone、Androidなど)といったWi-Fiに接続するデバイス側の問題で「インターネット接続なし」と表示されることも考えられます。例えば、デバイスがWi-Fiルーターの電波が届く適性範囲よりも離れてしまっているほか、他の電波の干渉を受けている、さらに他のWi-Fiルーターに接続を試みてしまっているなど複数の原因が考えられます。もし、他の機器が同じWi-Fiルーターから正常にインターネットに接続できている際は、デバイス側に問題がある可能性が高いと考えられるでしょう。
インターネット回線が原因の場合
インターネット回線そのもの、もしくはプロバイダ(接続事業者)のトラブルによってうまくネットワーク接続できないケースも稀ですが考えられます。同じトラブルの投稿があった場合、回線やプロバイダのトラブルである可能性が高いです。このケースの場合、自力での対処が難しいため時間を置く必要があります。
Wi-Fiが「インターネット接続なし」と表示される際の対処法
Wi-Fiルーターに接続されているのに「インターネット接続なし」と表示される場合、原因に応じて適切な対処を行うことが重要です。ここでは、Wi-Fiルーター・デバイス・インターネット回線の3つの観点から、それぞれの状況に応じた対処法を9項目に分けて紹介します。
Wi-Fiルーターが原因の場合
・Wi-Fiルーターやデバイスを再起動する
インターネット接続だけでなく、デジタル機器でトラブルがあった際にまず試してみるべきなのが、いったん状況をリセットできる「再起動」です。機器の違いや機種、メーカーなどによって電源のオンオフの正しい操作方法は異なるので、注意してスイッチを入れ直してみましょう。例えば、Wi-Fiルーターには電源ボタンが付いていない場合があります。その際は電源ケーブルをコンセントから抜いて30秒~1分ほど時間を空けてから、再度、コンセントを挿して電源を入れてください。また、Wi-Fiルーターのファームウェアが自動的に更新されていない場合は、最新版をインストールするようにしてください。
・Wi-Fiの周波数を変更する
通常、Wi-Fiルーターには5GHzと2.4GHzの2つの周波数帯が設けられています。普段、2.4GHzを使用している場合は5GHzに切り替えるなど、周波数を変更することで電波干渉などの影響を小さくでき、インターネットに接続できる可能性も考えられます。
・デバイスとWi-Fiルーターの接続設定をやり直す
再起動などで改善しなかった場合、デバイスとWi-Fiルーターの接続を切断し、SSIDと暗号化キーを再入力して再接続してみましょう。それでも接続できなければ、Wi-Fiルーター側にアクセスしてから設定方法を一からやり直す「再設定」がおすすめです。基本的にはPCとWi-Fiルーターを有線接続し、IPアドレスをブラウザのURL欄に入力した後に表示される画面にユーザー名とパスワードを入力します。その後、管理画面が表示されるのでそこで「インターネット設定」の画面を開き、プロバイダから提供されたIDとパスワードを入力すれば再設定できます。
・Wi-Fiルーターの設置場所を変更する
Wi-Fiルーターと接続したいデバイスの間に壁や障害物があると、電波が弱まって通信が不安定になる場合があります。特に、コンクリートや金属製の壁は電波を通しにくいため、可能であればWi-Fiルーターは部屋の中央など電波が届きやすい場所に設置しましょう。
・LANケーブルを確認する
Wi-FiルーターとモデムをつなぐLANケーブルが抜けていたり、劣化していたりすると通信できなくなる原因になります。一度ケーブルの接続状態を確認し、緩んでいる場合はしっかり差し込みましょう。ケーブルが古くなっている場合は新しいものと交換するのが効果的です。
・同時接続台数を減らす
Wi-Fiルーターには同時に接続できる端末数に制限があります。複数の端末を一度に使用していると、通信が不安定になったり接続できなくなったりすることがあります。使っていないデバイスのWi-Fiをオフにする、または一部の機器を接続解除して通信の負荷を減らしましょう。
・通信制限を確認する
インターネット回線の契約によっては、月間データ容量の上限が設定されている場合があります。上限を超えると、速度制限がかかり「インターネット接続なし」と表示されることがあります。契約内容や利用状況を確認し、必要であればデータ容量の追加や上位プランへの変更を検討しましょう。
・Wi-Fiルーターのメーカーに問い合わせる
自力での対処で改善しない場合は、Wi-Fiルーターの取扱説明書やメーカーのサポート窓口を確認してみましょう。メーカーによっては、チャットサポートや故障診断ツールを提供している場合もあります。
・Wi-Fiルーターを修理・交換する
長期間使用しているWi-Fiルーターは、ハードウェアの経年劣化によってトラブルが起きやすくなります。メーカー保証期間内であれば修理対応が可能な場合もあるため、まずは保証内容を確認しましょう。また、5年以上経過している場合は買い替えも有効です。
デバイスが原因の場合
・デバイスの機内モードをオンからオフの順に切り替える
スマートフォンやタブレットなど「機内モード」が備わっている端末は、一度オンにしてからオフに戻すことで、不具合が解消されてインターネットに接続できるケースがあるのでまずは機内モードのオンオフの切り替えをおすすめします。もちろん、機内モードのままではインターネットに接続できないので、状況を設定画面上で確認しましょう。
・デバイスのセキュリティソフトやファイアウォールを一時的に無効にする
インターネットに接続できない端末がPCなどの場合、セキュリティ保護のためのソフトやファイアウォールがWi-Fiによるインターネットに接続をブロックしていることが考えられます。セキュリティソフトやファイアウォールは外部からの不正アクセスを防御するシステムであり、その対象にWi-Fiによるインターネットに接続が含まれてしまう可能性があるのです。一度、ファイアウォールなどを無効化して接続状況を確認してみましょう。接続できた場合は有効状態に戻して説明書に従って個別設定などを行ってください。注意点としては、無効化したままではセキュリティリスクが非常に高くなるので、そのままの状態での利用は推奨されません。
・デバイスのソフトウェアをアップデートする
スマートフォンやPCのOSが古いと、通信機能に不具合が発生することがあります。最新バージョンにアップデートすることで、インターネット接続の問題が解消する可能性があります。
・デバイスを修理する
再起動や設定変更を試しても改善しない場合、ハードウェア自体に不具合があるかもしれません。メーカーやキャリアのサポート窓口で点検・修理を依頼しましょう。
・デバイスの機種変更を行う
古い端末はWi-Fiの規格に対応していなかったり、通信機能が劣化している可能性があります。現在の利用環境に合った新しい端末への買い替えを検討することもひとつの方法です。
・Bluetoothをオフにする
Bluetoothが有効になっていると、Wi-Fiの電波と干渉し合って通信が不安定になることがあります。設定メニューからBluetoothを一時的にオフにして、接続状態を確認してみましょう。
インターネット回線が原因の場合
利用中のWi-Fiルーター、デバイスの双方に原因を発見できない場合は、SNSなどでプロバイダ名などを検索してみましょう。また通常であればトラブルが発生した場合、プロバイダのホームページで障害情報・復旧情報が掲載されています。また、利用状況によっては通信制限・速度制限の対象になっている可能性も考えられます。対象に該当するかを確認してください。
Wi-Fiの接続が不安定な場合の対処法については以下の記事をご参照ください。
「Wi-Fiの接続が不安定なときに確かめたいこと|原因別の対処法は?」
Wi-Fiからインターネットに接続できない場合は落ち着いて原因を確かめよう
Wi-Fiに接続した状態でもインターネットに接続できない場合、原因は主にWi-Fiルーターや接続しているデバイス、あるいはインターネット回線にあると考えられます。他のスマートフォンやPCなどでも同じ現象が起きているかを確認し、「自分の端末だけか」「ネットワーク全体に問題があるのか」を切り分けることが重要です。そのうえで、まずは簡単な対処法から落ち着いて試すことをおすすめします。