小樽市役所 様 New00000JAPANに切り替わる「Otaru-City-Wi-Fi」~防災・減災対策を重視した公衆無線LANを構築~

無線ネットワーク導入の背景

小樽市は、明治期より北海道開拓の玄関口として栄えた港湾都市です。ガラス工芸や石造りの歴史的建造物などが有名で、なかでも小樽運河添いに立ち並ぶ旧倉庫街の景観は北海道のみならず全国屈指の観光スポットとして人気を集めており、多くの人々が街を訪れています。小樽市は、明治期より北海道開拓の玄関口として栄えた港湾都市です。ガラス工芸や石造りの歴史的建造物などが有名で、なかでも小樽運河添いに立ち並ぶ旧倉庫街の景観は北海道のみならず全国屈指の観光スポットとして人気を集めており、多くの人々が街を訪れています。

小樽市では住民向けのサービス向上を目的に、2024(令和6)年3月に市民や観光客がスマートフォンなどの端末を無料で接続して利用できる公衆無線LAN 「Otaru-City-Wi-Fi」の供用を開始しました。市の施設を利用する市民の方々へのサービス向上としての役割りはもちろん、小樽の街を訪れた観光客もSNS認証により気軽に接続することができます。また、防災・減災等の観点から、災害発生時に誰もがパスワードなしでWi-Fiに接続できる災害用統一SSID「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」に切り替わる公衆無線LANとして整備しました。

ネットワークの構築には、フルノシステムズの業務用無線LANアクセスポイント「ACERA(アセラ)」を採用しました。19台のアクセスポイントを市役所や市民会館、図書館などに設置してネットワークを運用しています。ネットワークの管理には、無線ネットワーク管理システム「UNIFAS(ユニファス)」を導入し、管理運用の効率を高めています。

無線LAN導入における3つの課題

  1. 利用者サービスの向上
    市民の方々が庁舎を訪れた際に利用できる公衆無線LANの整備が求められていました。公共施設でWi-Fiを利用したいとの市民の方々からの要望を受け、Otaru- City-Wi-Fiの設置に向けた検討を始めました。
  2. 観光客へのおもてなしサービス
    市民の方々はもちろん、観光客の利用も重要なテーマでした。小樽市では国内のみならず海外からの観光客も増加している背景があり、誰もが使いやすい認証方式に対応する公衆無線LANの構築が求められていました。
  3. 防災・減災等の観点
    防災・減災対策の観点から、災害発生時に活用できるネットワークの導入が検討されました。避難所となる施設で、非常用電源と災害時対応のWi-Fiを確保し、市民の方々ができるだけ安全に過ごせるよう体制を整備しました。

システム概要

災害用統一SSID「00000JAPAN」に瞬時に切り替わるシステムを導入

◇ アクセスポイントの管理にはネットワーク管理システム「UNIFAS」を利用

小樽市では市役所別館をはじめ、小樽市民会館、小樽市公会堂、小樽市勤労青少年ホーム、市立小樽図書館などの公共施設に合計19台のACERAを設置してWi-Fiネットワークを構築しています。ネットワーク管理にはUNIFASを採用しています。

◇ 誰もが使いやすい認証機能に対応

Otaru-City-Wi-Fiは、Facebook、LINE、X(旧twitter)、Google、Yahoo! JAPAN IDでのログインに対応しています。使いやすいSNS認証システムにより、利用者が手軽に快適に公衆無線LANに接続できます。

◇ 簡単な操作で00000JAPANに瞬時に切替え可能

Otaru-City-Wi-Fiは、災害発生時に誰もがパスワードなしでWi-Fiに接続できる災害用統一SSID「00000JAPAN」に対応します。市役所別館では、カギを回すだけの簡単な操作で通常時のWi-Fiを00000JAPANに切り替えられる専用の装置「Wi-Fiモードセレクター」を導入することで、複雑なシステム操作をすることなく簡単かつ迅速にWi-Fi設定を切り替えることができます。地震などの災害発生時における利用・開放を見込んでいます。

お客様の声

小樽市では、『利用者サービスの向上』『観光客へのおもてなしサービス』 『防災・減災等の観点』 という3つのポイントをテーマに公衆無線LANの導入を決定し、Otaru-City-Wi-Fiの供用を開始しました。現状では、市役所別館1階、小樽市民会館、小樽市公会堂、小樽市民センター(マリンホール)、小樽市勤労青少年ホーム、小樽市生涯学習プラザ(レピオ)、市立小樽図書館の7施設にACERAを配備し、フリーWi-Fiサービスを提供しています。

市民の方々の利用が多く見込まれる会議室などが併設されている施設や不特定多数の人が利用するロビーといった場所を対象にネットワークを整備しました。また、2018年9月に発生し、最大震度7を記録した北海道胆振東部地震の経験をもとに、防災・減災面でも活用できるネットワークの構築が検討されました。市役所1階にはWi-Fiモードセレクターを設置しており、ネットワークに詳しくない担当者でも簡単にワンタッチで災害用統一SSID「00000JAPAN」に切替えられるようにしています。万が一の災害発生時に避難所となることが想定される公会堂や市民センターなどにおいても、00000JAPANの利用はもちろん、非常用電源設備などを用意して市民の皆さんができるだけ安心して過ごせるよう配慮しています。

ACERAを選定した理由のひとつに、GIGAスクール構想で市内の小中学校の無線LANを整備した実績がありました。ACERAの導入により授業を円滑に運用できるネットワークを構築できたということで、Otaru-City-Wi-Fiの整備においても業者側からACERAを提案いただきました。供用を開始したことで、各スポットでの待ち時間におけるスマートフォンの通信利用や、会議室におけるWeb会議利用、図書館では海外出身の住民の方々がスマートフォンの翻訳機能を利用して縦書きの書物を読むなど、活発にWi-Fiが利用されており、公共サービスの利便性が向上していることを実感しています。この先も、市民の方々からの要望があれば、Otaru-City-Wi-Fiの利用範囲を広げていくなどの対応ができればと思っています。


お客様情報

お客様名
   小樽市役所
市 長
   迫 俊哉
所在地
   北海道小樽市花園2丁目12−1
人 口
   104,180人
   (人口、世帯数いずれも2025年1月末現在)
ホームページ
   https://www.city.otaru.lg.jp

[取材実施:2025年1月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

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お問い合わせフォーム
https://www.furunosystems.co.jp/contact/otarushiyakusyo.html

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