アーベルソフト/秩父市役所 様 Newデジタル技術活用による地域課題解決の取り組み支援 ~Wi-Fi HaLow™とIPカメラで人流や車両通行量を観測~

無線ネットワーク導入の背景

埼玉県坂戸市に本社を置くIT企業のアーベルソフトは、通信インフラ整備を伴うデジタル技術を活用した地域課題解決への取り組み支援のビジネス展開を推進しています。同社が所有する地域情報写真配信サービス『ビューちゃんねる』というソリューションを活用し、これまでに埼玉県内の複数の自治体(毛呂山町や朝霞市など)で導入実績を重ねてきました。埼玉県坂戸市に本社を置くIT企業のアーベルソフトは、通信インフラ整備を伴うデジタル技術を活用した地域課題解決への取り組み支援のビジネス展開を推進しています。同社が所有する地域情報写真配信サービス『ビューちゃんねる』というソリューションを活用し、これまでに埼玉県内の複数の自治体(毛呂山町や朝霞市など)で導入実績を重ねてきました。

このたび、総務省の「令和6年地域デジタル基盤活用推進事業」を活用したプロジェクトとして、スマートシティの取り組みを積極化している秩父市との共創に着手することになりました。アーベルソフトの提案を受け、秩父市では『ビューちゃんねる』を基盤としたシステムの実装を承諾し、市街地の一部にIoT(モノのインターネット)ネットワーク構築に適した無線LAN通信規格である「Wi-Fi HaLow™(IEEE802.11ah)」の通信基盤を構築。設置したIPカメラをWi-FiHaLow™にネットワーク接続し、画像・映像の伝送と、AI(人工知能)を用いた人流や車両の交通量、混雑状況のデータを解析・把握する仕組みを整備しました。

Wi-Fi HaLow™のネットワーク構築には、フルノシステムズのWi-Fi HaLow™対応アクセスポイント「ACERA(アセラ)331」を採用しました。秩父鉄道の秩父駅前ロータリーと市街地のメインストリート(番場通り)にIPカメラを設置し、デジタル技術活用による地域課題の解決を目指します。

無線LAN導入における3つの課題

  1. 補助金を活用した官民共創体制の構築
    総務省の地域デジタル基盤活用推進事業の採択には、企業と自治体がコンソーシアムを組むことが条件でした。これまでに埼玉県内で数多くの実績を持つアーベルソフトは、地域課題の解決に向けてDX化を進めている秩父市に事業提案し、今回の取り組みが実現しました。
  2. 観光客の混雑緩和と地域住民が住みよい街づくり
    年間約600万人の観光客が訪れるという秩父市。観光需要の平準化や駐車場の混雑、渋滞などが課題となっていました。地域が抱える課題の解決に向け、デジタル技術を用いた状況分析とデータ収集の仕組みづくりが検討されました。
  3. 長距離の映像伝送に対応するIoT通信基盤
    IPカメラをネットワークに接続し、人の流れや車両の通行をリアルタイムで観測する必要がありました。数百メートル程度離れた場所に設置したIPカメラをカバーする長距離通信基盤の構築が必要となり、 Wi-Fi HaLow™を採用することになりました。

システム概要

IPカメラで撮影した画像・映像をリアルタイム伝送できるIoTネットワーク

◇ Wi-Fi HaLow™対応のアクセスポイント

このたびの秩父市における取り組みには、IoTのネットワーク構築に適した無線LAN通信規格であるWi-Fi HaLow™に準拠するフルノシステムズのWi-Fi HaLow™対応アクセスポイント「ACERA 331」が使われています。長距離通信に対応するほか、IPカメラで撮影した映像をリアルタイムで伝送できることが他のIoT通信規格とは異なる最大の特徴となっています。また、動作温度はマイナス20℃まで対応することから、寒冷地の設置にも適しています。

◇ 駅前と大通りにアクセスポイントとIPカメラを設置

Wi-Fi HaLow™で構築したネットワーク基盤にIPカメラを接続し、秩父神社周辺の商店街における混雑状況の可視化や、駅前ロータリーのタクシー待機状況可視化による観光客への情報提供のための仕組みをつくり、市民のための住環境や観光客の満足度向上につなげていく方針です。ACERA 331を秩父市地場産業センターと秩父祭り会館に設置し、ステーションを介してIPカメラと連携し、動画伝送を可能にしました。

お客様の声

このたびの秩父市様における実装を通して、Wi-Fi HaLow™によるIPカメラの動画伝送が、距離が離れていてもしっかりと通信できることを確認しました。データ通信量をできるだけ抑えるため、映像は1秒1フレームで伝送しています。人と車をAIで判定してカウントし、動画から得た人流や混雑状況の数値データを把握することで、今後の行政施策や観光施策の確立につなげていきたい考えです。

将来的に、ACERA 331が秩父市内により広く展開され、市民の方々の安心安全や、観光客の利便性向上に役立つきっかけになればと思っています。秩父市での経験をもとにビジネスモデルを磨き、地域課題の解決に貢献するためのソリューション『ビューちゃんねる PLUS+』として全国的なビジネス展開を目指していきたいと考えています。


秩父市には年間で約600万人の観光客が訪れています。埼玉県の中でも山間部に位置する地域ということもあり、物流や交通渋滞、観光需要の平準化への課題解決に向けてスマートシティの取り組みを積極的に進めています。  

秩父市は、官民協力でドローンやAI、IoTといった多彩な先端技術を取り入れています。DXを推進して地域課題を解決し、活気ある街づくりにつなげていきたいと思っています。アーベルソフトさんと協力して実施する今回の取り組みでは、IPカメラを通して人流などのデータを取得して検証し、歩行者と車の混在状況の改善や、観光客が安心・快適に観光できる情報提供につなげていきたいと考えています。

お客様情報

お客様名
   株式会社アーベルソフト
本社所在地
   埼玉県坂戸市薬師町 10-2
代表取締役
   西岡 和也
ホームページ
   https://www.abelsoft.co.jp/

お客様名
   秩父市役所
所 在 地
   埼玉県秩父市熊木町8番15号
市   長
   北堀 篤
人   口
   57,105人
世 帯 数
   26,022世帯
   (人口、世帯数いずれも2025年2月1日現在)
ホームページ
   https://city.chichibu.lg.jp/

[取材実施:2025年1月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

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お問い合わせフォーム
https://www.furunosystems.co.jp/contact/chichibushiyakusyo.html

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