在庫の見える化とは?メリットや方法、ハンディターミナルの導入事例 3分でわかる!無線LANミニ知識
この記事でわかること
・在庫を見える化するメリット
・在庫の見える化を実現する主な方法
・在庫の見える化をスムーズに実施するポイント
・ハンディターミナルの利用で在庫の見える化を実現した事例
在庫切れや過剰在庫が多発すると、販売機会の損失や生産ロスにつながります。特に食品を取り扱う場合は、賞味期限がある以上、より正確な在庫管理が求められるでしょう。そこで、既存のシステムで在庫データの見える化が可能となれば、在庫管理がより正確に行えるだけでなく、ヒューマンエラーを防ぎ、業務効率の向上が図れます。また、仕組みがシンプルなシステムや製品を導入すれば、だれでも取り扱えるため、属人化や人材不足の軽減にもつながるでしょう。
当記事では、在庫の見える化に取り組むメリットと、実際に倉庫へ導入する手順、在庫の見える化による成功事例について解説します。
在庫の見える化とは?
「在庫の見える化」とは、 倉庫内の在庫の「現物」と「情報」を見える化し、適正な在庫を維持することです。在庫の見える化が適切に行われていない場合、倉庫内の在庫数や種類を正確に把握できません。また、それぞれが保管されている場所も整理されていないため、ピッキング作業に多大な労力と時間が費やされます。
そこで、在庫の見える化を行い、在庫の現物と情報を見える化することで、下記の情報を瞬時に把握できるようになります。
・在庫の種類と在庫量
・在庫の場所
・在庫の入荷日
・在庫の出荷日
導入するシステムやツールにより異なり、だれもが上記を瞬時に把握できることで、倉庫内における課題を解決しやすくなるでしょう。
在庫を見える化するメリット
在庫を見える化することで、倉庫内で起こりやすい下記の課題を解決できる可能性が高まります。
・適正在庫がわからない
・無駄なコストが多い
・業務効率が悪い
・商品の品質が維持できない
・業務の属人化が多い
一つずつ、解説していきます。
適正在庫を保ちやすくなる
適正在庫とは、欠品や過剰在庫が起こらない、適正な在庫数のことです。適正在庫を維持すれば、不良品による在庫損失や、在庫切れによる販売機会の損失を防止できます。
コストの削減につながる
在庫の見える化により、下記の費用の削減が期待できます。
・過剰在庫分の発注費用
・過剰在庫による保管スペースの費用
・在庫管理における人件費
過剰在庫による保管スペースは、費用を削減できるだけでなく、空いたスペースを有効活用できます。
業務を効率化できる
在庫を見える化すれば、これまで手間だった在庫管理業務の負担が、大きく軽減できるでしょう。さらに、在庫の場所や量などの情報が、だれでも瞬時に把握できるため、ピッキング作業を効率化できます。
商品の品質を保持しやすくなる
在庫の見える化により把握できる情報には、商品の入荷日も含まれます。入庫日付の古い順番で出荷できるため、保管中の商品の劣化が避けられ、商品品質の低下が防げます。
業務の標準化につながる
在庫の見える化を実現させるためにシンプルな仕組みのシステムや機器を導入すれば、だれでも在庫管理が容易になります。そのため、担当者が変わっても継続して在庫管理が行えるため、業務の属人化が解消できるでしょう。
在庫の見える化を実現する方法
在庫の見える化を実現するには大きくわけて、自社内の設備やシステムを利用する方法と、新しくシステムや機器を導入する方法の2種類があります。既存の設備やシステムを使用することで、初期費用がおさえられるメリットはありますが、従業員に頼る場面が多いため、あまり効果が実感しにくいでしょう。おすすめは、新しくシステムや機器を導入する方法です。初期費用が発生する点がデメリットですが、ベンダーのサポート体制が厚く、使いやすいシステムや機器であれば、費用対効果を得られやすいでしょう。
在庫管理表の作成
Excel(エクセル)などの表計算ソフトを使って、在庫管理表を作成して管理する方法です。在庫管理表を作成する場合は、下記の項目を含めるとよいでしょう。
・日付
・商品コード
・商品名
・金額
・保管場所
・入庫数
・出庫数
・在庫数量
・担当者名
上記のほか、項目を追加して自社に適用させましょう。すでに、倉庫内に表計算ソフトがあれば初期費用をかけず実現できますが、手入力による管理のため、入力ミスや計算ミスなどのヒューマンエラーが起こりやすいのが難点です。
5Sの徹底
倉庫内を見直し、整理整頓を心がけるため、従業員に再周知または再教育をする方法です。再周知・再教育を行う際は、下記の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を意識しましょう。
・整理:不要なものは処分する
・整頓:必要なものは場所を決めて保管する
・清掃:倉庫内の清掃に努める
・清潔:整理・整頓・清掃した状態を維持する
・しつけ: 上記4つを従業員へ徹底させる
上記4つを従業員へ徹底させるしかし、従業員の意識や注意のみに頼るには限界があります。少量であれば問題ありませんが、在庫の種類や量が増えた際、5Sの徹底では課題が解決できない可能性があります。
ロケーション管理
倉庫内の在庫の保管場所を固定します。在庫ごとの場所を決めておけば、在庫量や状況が把握しやすいため、ピッキング作業の時間短縮につながるでしょう。しかし、在庫量にかかわらず保管場所が固定されるため、保管スペースを効率よく利用できない場合があります。
在庫管理システムの導入
在庫管理システムとは、倉庫の在庫情報が一元管理できるシステムで、商品の入荷から出荷までの情報が瞬時に把握できます。また、需要予測まで可能なため、在庫に対するトラブルや課題解決につながるでしょう。具体的には、バーコードやRFIDなどをハンディターミナルで読み取ってデータを収集し、在庫量や入出庫の状況などが瞬時で把握できます。初期費用がかかりますが、倉庫内における作業の短縮化や効率化を図れるため、費用対効果は高くなりやすいといえます。
株式会社フルノシステムズ「finpad Ag1」
https://www.furunosystems.co.jp/products/handy/finpad_ag1/
IoTの活用
センサーや画像認識システムなどのIoT機器を倉庫内へ導入する方法で、在庫のリアルタイムでの状況把握だけでなく、不良品の自動検出や入荷作業・出荷作業までほとんどが自動化できます。倉庫の業務における大半の業務を自動化できるため、人件費の削減やキャッシュフローの改善につながるでしょう。しかし、初期費用が非常に大きいため、大規模な倉庫向きといえます。
在庫の見える化をスムーズに導入するポイント
在庫の見える化をスムーズに導入するには、自社が解決したいと考えている課題を明確にし、課題解決を叶える製品の選定が必要です。さらに、サポートが手厚いベンダーから購入することで、迷わず導入できるうえ、エラーや問題発生時に相談しやすいでしょう。
自社に適した在庫管理システムを選ぶ
自社に適した在庫管理システムを導入するには、下記のポイントをおさえましょう。
・倉庫が抱えている課題を洗い出す
・在庫管理システムを導入する目的を明確にする
・倉庫内で適切に動作するか確認する
実際の現場の作業を確認することで、課題や目的、動作環境などがわかります。さらに、ほとんどの製品には無料お試し期間が付いているため、必ず活用して、操作感や自社への最適度を確認しましょう。在庫管理システムの選定には、現場の担当者も含め、意見を反映させることをおすすめします。
在庫管理のルールをマニュアル化する
導入する在庫管理システムを選定したら、部署ごとにマニュアルを作成しましょう。マニュアルを作成すれば、業務を定型化できるため、属人化が防げます。さらに、問題が見つかった場合、だれでも対処できるようになります。
ハンディターミナルで在庫を見える化した主な事例
株式会社フルノシステムズが提供するシステムを導入したことで、在庫の見える化に成功した倉庫の事例を3種類紹介します。
株式会社イー・ロジット 様
株式会社イー・ロジットはEコマース領域におけるBPOサービスおよびコンサルティングサービス、人材育成サービスを提供する企業です。関東と関西に合計7か所のフルフィルメントセンターを設けており、アパレルや食品、化粧品、日用雑貨など、あらゆる業種のEC通販事業者に向けたフルフィルメントサービスを展開しています。フルノシステムズの無線ハンディターミナル「finpad(フィンパッド)」を導入することで、下記の効果が得られました。
・生産性の向上
・業務フローの改善
・リードタイム短縮
現場で働くスタッフの方々の声を反映し、作業工程で必要となるアプリケーションを新たに開発したうえで、finpadを実装しました。
おもに入荷・ピッキング・棚卸業務・梱包・在庫照会などのあらゆる工程でハンディターミナルを用いて、各工程の作業を記録したところ、効果を実感できました。
無線ハンディターミナルを活用し業務の"見える化"を推進~現場で働くスタッフの声を反映したフレキシブルな機能実装~
中越通運 様
中越海運は、新潟市を中心に全国で物流事業を展開する、総合物流企業です。千葉県野田市の野田ALCでは、外食・食品関係の荷物を取り扱っているため、業務効率化と省人化を進めて、おもに首都圏の外食産業のニーズに応え続けています。
中越海運は、ニーズの多様化に伴う取扱い在庫の種類の増加や出荷リードタイムの短縮が課題でした。そこで、荷物の仕分けシステムの「TEPPA navi (テッパナビ)」、フルノシステムズのLANアクセスポイント「ACERA(アセラ)シリーズ」、DASに「finpad(フィンパッド)」を導入した結果、下記の効果を得られました。
・作業効率の向上
・時間とスペースの有効活用
・庫内に安定したネットワークの構築の実現
基盤ネットワークとして、フルノシステムズの「ACERA(アセラ)シリーズ」を導入したところ、ハンディターミナルと同様に故障やトラブルがなく、信頼性が高い製品と評価しています。
音声ナビピッキングシステムで物流倉庫の作業効率を向上 ~Wi-Fi活用でハンズフリー・レイアウトフリーな作業環境を構築~
株式会社ファンケル 関東物流センター 様
株式会社ファンケルでは、無添加化粧品やサプリメント、健康食品などさまざまなラインナップを展開しています。市場の拡大に伴い、物流サービス耐性の向上のため、8か所に分散していた常温商品の物流拠点を1か所に統合・運営することとなりました。そこで、フルノシステムズのICタグ読み取り機能を搭載した「finpad 704f」を導入したところ、下記の効果が得られました。
・受注締め時間を2時間拡大できた
・当日出荷率91%を実現できた
・年間で約2億円の物流コストの削減を達成した
・従来の作業者数300人を2割削減できた
1か所に集約した物流センターにて、庫内作業の効率化だけではなく、顧客満足度の向上と低コスト物流の双方が実現できました。確実性・機動力・効率運用のこだわりに対して、フルノシステムズの製品の性能力や対応力が、大成功のもとであると評価しています。
RFIDとバーコードのメリットを最大限に活用した新センターの運営 ~無線ハンディは"作業者の体の一部"、機動力と効率運用が大きな魅力~
「在庫の見える化」で在庫トラブル・業務の属人化を防ぐ
在庫の見える化は、製造業や物流業にとって深刻化しやすい、過剰在庫や在庫切れによる損失を解決へ導きます。在庫の見える化は、在庫の現品と情報を見える化することであり、さらにほかの従業員と情報共有したり連携したりすることで、品質管理の精度が向上するでしょう。管理アプリやシステム導入の際は、実績が豊富でサポートが手厚いベンダーへの相談が重要です。もしハンディターミナルや庫内ネットワークの導入を検討されている場合は、株式会社フルノシステムズまでお気軽にご相談ください。