埼玉県小鹿野町役場 様 New00000JAPANに切り替わる公衆無線LANを整備 ~新庁舎にACERAを設置しWi-Fiスポットを構築~
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無線ネットワーク導入の背景
小鹿野町は埼玉県西部の秩父地方に位置する人口約1万人の自治体です。秩父盆地のほぼ中央に市街地を形成しており、町の西側には日本百名山の両神山を中心とした秩父多摩甲斐国立公園が広がるなど、豊かな自然環境に恵まれた地域となっています。秩父きゅうりや秩父黄金かぼすなどの特産品のほか、およそ220年前から伝わる小鹿野歌舞伎といった伝統芸能が息づく地域でもあります。
小鹿野町役場は、2023年3月に新庁舎が完成し開庁しました。庁舎のリニューアルにあわせてネットワークの整備に着手し、無線LANを刷新しました。職員の業務利用はもちろん、庁舎内にWi-Fiスポットを構築することで町民の方々に向けて公衆無線LANサービスを提供しています。
新たなネットワークの構築には、フルノシステムズの業務用無線LAN機器「ACERA(アセラ)」シリーズを採用しました。12台のアクセスポイントと2台のマネージド・スイッチPoEスイッチングハブでネットワークを構築しています。ネットワークの管理には、クラウド型の無線ネットワーク管理システム「UNIFAS(ユニファス)クラウド」を導入し、運用管理の効率を高めています。
公衆無線LANは庁舎を訪れる町民の方々が気軽に利用できるサービスとして提供しており、多くの方々に利用されています。万が一の災害発生時には防災Wi-Fiとしての機能を発揮し、災害用統一SSID「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」への切り替えが可能となっています。災害対策本部などの指揮系統を庁舎が担うことを想定しており、防災・減災対策の一環としてネットワークを構築しました。
無線LAN導入における3つの課題
- 多台数の端末が同時接続した際の安定性
ネットワークサービスが豊富になるにつれ、要求される通信容量も増加していく実感がありました。無線LANは職員が業務で使用するほか、来庁者が公衆無線LANに接続することを考慮し、複数人が同時接続してもトラフィックがひっ迫しないネットワークの構築が求められました。 - 誰もが使いやすい公衆無線LANの実現
公衆無線LANサービスを展開するにあたり、来庁者が手軽に接続できる認証機能が必要となります。接続する際の設定が複雑でない、使い勝手のいい認証方式を設定できるアクセスポイントが必要でした。 - 00000JAPANへの切り替え
防災対策の観点から、災害発生時に活用できるネットワークの導入が検討されました。00000JAPANに対応する無線LANを整備するにあたり、ネットワークを切り替える際の複雑な手順や、システム担当者以外でも取り扱える仕組みが望まれました。
システム概要
災害用統一SSID「00000JAPAN」に瞬時に切り替えられるシステムを導入
◇ クラウド型のネットワーク管理システムを導入
小鹿野町役場では、2023年に開設した新庁舎に12台のアクセスポイントと2台のスイッチングハブを設置し、Wi-Fiネットワークを構築しています。庁舎内のネットワークを管理するためのツールとして、クラウド型の無線ネットワーク管理システムであるUNIFASクラウドを採用しています。 |
◇ 誰もが使いやすい認証機能に対応
庁舎内で使用可能な公衆無線LANサービスは、「メールアドレス認証方式」、「SNSアカウント認証方式」に対応しています。使いやすい認証システムにより、庁舎を訪れた誰もが手軽に快適に公衆無線LANを利用できます。
◇ 簡単な操作で00000JAPANに切り替え可能
小鹿野町の公衆無線LANサービスは、災害発生時に誰もがパスワードなしでWi-Fiに接続できる災害用統一SSID「00000JAPAN」に対応します。カギを回すだけの簡単な操作で通常時のWi-Fiを00000JAPANに切り替えられる専用の装置「Wi-Fiモードセレクター」を導入することで、複雑なシステム操作をすることなく簡単かつ迅速にWi-Fi設定を切り替えることができます。豪雨や地震などの災害発生時の利用・開放を見込んでいます。
お客様の声
新庁舎建設に伴うネットワークの整備・刷新において、職員はもちろん町民の方々にもスムーズにお使いいただけるネットワークの構築を検討しました。ACERAを導入することで、職員用のネットワークと公衆無線LANを切り分けて設定でき、多台数の端末を同時に接続しても安定して通信することができています。
ネットワーク機器選定の際、今後の汎用性と将来性を重視しました。小鹿野町では電子図書館サービスや電子申請サービスといったオンラインによる行政サービスの拡充を図っており、高いDX水準を実現するための先行投資という意味でも、ACERAを導入して安定した無線LAN構築を実現しました。
無線LANを整備するにあたり、特に重要視したテーマが“防災対応”でした。小鹿野庁舎は指定避難場所ではないものの、万が一の災害発生時には、防災対策本部の設置や住民の方々が集まる拠点となることが想定されます。そのため、00000JAPANへの切り替えができるアクセスポイントの導入が求められました。
ただ、ネットワークを切り替える際に、いちいちウェブコンソールやハードウェアの複雑な手順を踏んで対応することが、災害発生時にできるだろうかという疑問を抱えていました。情報システム担当者が、いざというときに対応できない可能性もあり得ます。職員が誰でも迅速に00000JAPANへ切り替えることができるという点で、Wi-Fiモードセレクターは有効なシステムだと考えました。
町内の指定避難場所となっている公共施設において、現時点では公衆無線LAN環境が未整備である点や、00000JAPANの住民への災害時の利便性を考慮すると、将来的には町内の各公共施設においてもネットワーク整備を実施する必要性・可能性があります。そのような際にも、フルノシステムズのUNIFASであれば、ネットワークの拡張をスムーズに実施できると期待しています。
お客様情報
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[取材実施:2024年5月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。
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