笛吹市教育委員会 様 New教育DXの推進で学校教育における新たな価値観を育成~一人一台学習用端末で子どもたちの個別最適な学びをサポート~

無線ネットワーク導入の背景

笛吹市は、山梨県の県庁所在地である甲府市の東側に隣接する人口約7万人の自治体です。国内屈指の生産量を誇る桃やぶどうの果樹園をはじめ、甲府盆地を囲む山々や富士山を一望できる景観、温泉施設、ワイナリーなど、豊かな自然環境と観光資源に恵まれた地域として知られています。

笛吹市教育委員会では、児童生徒向けの一人一台学習用端末と高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備する国の政策「GIGAスクール構想」に基づき、2020(令和2)年度に市内小中学校のネットワーク整備に着手しました。同年度末には各校に学習用端末を導入して教育ICTの基盤を整え、2021年度より市内全域で本格的に運用を開始しました。

同市では教育DXによる新たな価値創出を目標に掲げており、従来の教育方法とICTを組み合わせたベストミックスによる子供たち主体の授業スタイルの確立と、個別最適化された学習の実践を目指しています。Society5.0時代を生きる子供たちの未来を見据えた、情報活用能力や情報モラル、論理的思考の育成というテーマを実現するための手段として、ICTを積極活用していく方針です。

学習用端末を利用した授業の円滑な進行を支える通信インフラとして、フルノシステムズの無線LANアクセスポイント「ACERA(アセラ)」が役割を担っています。

無線LAN導入における3つの課題

  1. 授業を止めないWi-Fi環境の構築
    教育ICTの環境整備において、授業の進行を止めない通信基盤の構築が課題でした。笛吹市ではGIGAスクール構想以前に、市内小中学校のパソコン教室にACERAを導入しており、タブレット端末を用いた授業を行っていた実績がありました。ACERAのネットワーク品質が評価され、GIGAスクール構想をきっかけとする普通教室でのネットワーク整備にも展開されることになりました。
  2. 多台数の学習用端末の同時通信に耐え得る無線LAN
    教室内の児童生徒が学習用端末を一斉に使用する場面を想定し、ネットワークを構築する必要がありました。電子教科書や動画コンテンツなど、通信の容量が大きい教材の使用にも耐え得るネットワークが求められました。検討を重ねた結果、業務用無線LANで多台数端末の一斉接続と安定した通信に定評のあるACERAが採用されました。
  3. アクセスポイントを一括で管理するシステムの導入
    市内の小学校14校、中学校5校の各教室にアクセスポイントを設置しネットワークを構築するため、多台数のアクセスポイントを統合的に管理運用する手段が求められました。無線ネットワーク管理システム「UNIFAS(ユニファス)」を導入することで、市内全域の学校のACERAを集中管理することが可能になりました。

システム概要

子供たち主体の授業スタイルと個別最適化された学習を教育DXで実践

◇ 学習用端末にWindowsのタブレットPCを使用

笛吹市では、学習用端末としてWindowsのタブレットPCを採用しています。パワーポイントやエクセル、Teamsといったアプリケーションを、授業での発表や共同作業などの場面で活用しています。また、AIドリルなどの学習ソフトを利用することで、子供たちそれぞれの習熟レベルに見合った個別最適な学びをサポートし、学習意欲の向上につなげています。

◇ UNIFASで市内19校のACERAを集中管理

市内小中学校19校の教室に約450台のACERAを設置し、校内無線LANを構築しています。市内各所に点在する学校のネットワークを集中管理するためのツールとして、無線ネットワーク管理システム「UNIFAS」を採用しました。UNIFASの導入により、ACERAの利用状況や死活監視はもちろん、管理者がACERAの無線帯域幅を最適化して各学校の学習用端末が円滑につながり動作するよう設定できます。管理者がUNIFASを利用してネットワークのつながりやすさを検証し、全校に展開しています。

システムインテグレータ様の声

笛吹市内の学校のネットワーク構築と保守管理を担当しています。UNIFASを使用して小学校14校、中学校5校に設置している約450台のACERAを管理しています。UNIFASのセットアップ機能を使うことでACERAの無線帯域幅を一括で設定できるようになり、工数の削減につながっています。万が一ネットワークの不具合が起こった場合でも、UNIFASで遠隔から迅速に確認し対応することができます。コンソールも分かりやすく、国内メーカーならではの強みがあると実感しています。


株式会社ジインズ

https://www.jins.co.jp/

お客様の声

笛吹市教育委員会では、GIGAスクール構想をきっかけに児童生徒が一人一台学習用端末を用いて学習できる環境を整えました。ICTと従来の教育のベストミックスにより、教師や子どもたちが新しい価値観を育てていくことを目標に掲げ、教育DXの取り組みを推進しています。『Society5.0』と呼ばれるこれからの予測困難な社会を生きる子供たちが、この先必要となる情報活用能力や情報モラル、論理的思考といったスキルを、ICTを活用した学習を通して総合的な観点から育んでいきたいと考えています。

ICT環境の整備により、教師の一斉授業ではない学習者主体の授業、個別最適化された学習を実践しています。学習用端末や、AIドリルなどの学習ソフトを活用することで、子どもたちは各自のペースと習熟度で、それぞれに適した方法で勉強に向き合うことができます。いろいろな理由で学習に向かない子どもでも、たとえばタブレットPCを使うことで課題に向き合い、最適な学習ができるという効果を実感しています。教育ICTの活用は、個別最適な学習を実現するために必要な手段だと思っています。

また、学習以外にもICTは役立っています。子どもたちの今日の気分をタブレットPCを利用して毎朝知らせてもらい、子どもたちの心の健康観察とケア、抱えている問題点の早期発見ができるといった効果があります。

教育委員会では、ICTの利活用の頻度向上に注力していきます。そのためには、ICTに苦手意識を持っている先生方にもICTを積極的に授業で活用してもらえる環境整備を進めていきたいと考えています。ICT活用研修の頻度を増やしたり、活用事例を広めることで、ゆくゆくは教職員間のICTの利用頻度格差をなくしていきたいと思っています。教育DXはもちろん、校務における働き方改革につなげる校務DXも進めていきたいと思っています。そのためには、インターネット環境が不安定だと、教育DXも校務DXも実践することが難しくなります。ネットワークはこれらを実現するための重要な軸だと捉えています。ネットワーク管理会社や学習用端末メーカー、ネットワーク機器メーカと連携し、常に最新の状態を追い求めながら、これからもICT環境を整備していく必要があると考えています。


お客様情報

お客様情報

お客様名
   笛吹市教育委員会
教 育 長
   望月 栄一
所 在 地
   山梨県笛吹市石和町市部809-1
生徒・児童数
   4,665人(2023年12月1日現在)
ホームページ
   https://www.city.fuefuki.yamanashi.jp/
   kosodate/kyoiku/index.html

[取材実施:2024年2月]
※本内容はすべて取材当時のものです。組織・部門・役職名、また仕様など、その後変更となっている場合があります。

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お問い合わせフォーム
https://www.furunosystems.co.jp/contact/fuefukishikyoui.html

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